すべてが新しい、文字通りのフルモデルチェンジ「アウディ Q3」は2011年、「VW ゴルフ」と同じ「PQ35」プラットフォーム上に構築された「VW ティグアン」の4年後に登場した。グループ内の競争防ぐためにデビューも周到で、まず2007年の上海モーターショーで「クロスクーペ クワトロ」と名付けたコンセプトでその存在を知らしめ、4年後に同じく上海で量産モデル「Q3」として公開された。 こうした時差市場導入だけでなく、その性格も実用的な「VW ティグアン」とは違ってアウディらしくライフスタイル重視で、コンセプトと同様にルーフが短く、リアエンドの傾斜が強いクーペ風のデザインを持っていた。 また、その後のバリエーションも独特で2013年には310馬力の2.5リッターTFSIを搭載した「RS Q3」を発売した。このセグメント初のスポーツSUVは現在でも高い人気を得ており、中古車市場では引っ張り凧状態が続いている。 このQ3が7年目を迎え、ゴルフなどがすでに使用している新世代の「MQB」プラットフォームをベースに、新たに誕生する。部品一点から全く新しい文字通りのフルモデルチェンジである。 新型は約50kg軽量に。RS Q3やSQ3も登場予定かレポーターは正式発表を前に、この新しいQ3をじっくり観察するチャンスを得た。案内されたのはアウディが本社を置く南ドイツ、バイエルン州インゴルシュタット郊外にある元鉄道の操車場で、現在はイベント・ホールになっている。カメラ付きのスマートフォンを取り上げられ、厳重な警戒の会場に案内されると、そこにはブルーのボディに包まれたニューQ3があった。 ニューQ3は「BMW X2」や「メルセデス・ベンツ GLA」などに対抗してひと回り大きくなっている。全長は97mm伸びて4485mm、全幅は18mm広がって1849mm、全高は逆に5mm低くなった。一方、ホイールベースは78mm伸びて2681mm。その結果、居住性は向上し、リアシートの背もたれは7段階の角度調整が可能になり、さらに150mmのスライドもできる。また、トランク容量は530Lから675Lに拡大、バックレストを倒せば1525リッターだ。逆に車重はMQBの恩恵によって約50kgのダイエットに成功している。 ニューモデルの傍らで解説をしてくれたのはこのQ3のエクステリアデザインを担当したマチュー・バッグレーだ。彼は「よりパワフルで、スポーティ、そしてプレミアムを強調している」と語り始めた。確かにその3つの要素はクロームの幅が広がり、立体的になったシングルフレームグリル、クワトロ4WDを強調する前後のブリスター状のホイルアーチ、LEDヘッドライト&リアコンビネーションライト、10.25インチのバーチャル・コクピット、12.3インチのタッチ機能付きディスプレイ(オプション)などに反映されている。 特にディスプレイはドライバーに向かって10度傾けられ、Q3のスポーツ性、すなわちドライバーズカーであることを表現しているのは興味深い。 発売当初に提供されるエンジンは全て4気筒直噴ターボで、ガソリンが「Q3 35 TFSI」「Q3 40 TFSI」「Q3 45 TFSI」の3種類、ディーゼルが「Q3 35 TDI」となる。最高出力は110kW(150馬力)から169kW(230馬力)まで、欧州向けのガソリン仕様には全てOPF (ガソリン直噴フィルター)が、ディーゼルにはもちろんSCRが装着される。 また、高い人気を得るに違いないスポーツ・モデルとして400馬力の「RS Q3」、そして新たに340馬力の「SQ3」が準備されているという噂もある。ドイツでの発売は2018年11月からで、価格はベースモデルが3万ユーロをわずかに下回るという噂もある。日本での発売時期や価格は現時点ではまだ発表されていない。 スペック【公表されているグレード別スペック】 |
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