日本の立体駐車場に入るサイズに抑えたボルボ久々のニューモデルは、電気自動車のコンパクトSUV「EX30」だ。ボルボが小さなBセグメントに参入するのは初めてで、スタイリングもフロントマスクの“斜め線”がなければボルボだとわからなかったかもしれないほど新しく、何から何まで新鮮なモデルだった。 SUVと書いたが、全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mm、ホイールベース2650mmと事実上のハッチバックだ。できるだけ多くのバッテリーを床下に敷き詰めたい電気自動車はどうしても全幅が広がりがちだが、このクルマは日本の狭い道路環境、駐車環境にあっても取り回しに気を使わない1835mmに抑えられている。そして全高もまだまだ多数残る古い立体駐車場の上限を超えない1550mmに抑えられた。これなら老若男女だれでも選びやすい。 【ボルボ EX30の詳しい情報はこちら】>>価格とスペックは? ボルボ(の親会社のジーリー)が開発した電気自動車専用の新しい車台を用いて開発されている。エンジンやトランスミッションを搭載するスペースを考慮していないため、サイズのわりに室内が広い。 特に後席の膝前スペースや頭上周辺には余裕があって快適だ。コンパクトカーの場合、後席にスペースを割くと荷室が狭くなるのだが、EX30の荷室容量は316Lと健闘している。 さらにラゲッジフロア下に61Lのサブトランクもある。左右幅は限定的なのでゴルフバッグを積むなら後席背もたれを倒す必要がある。エンジンがないのでフロントにもトランクがあり、充電ケーブルを収めておくのにちょうどいい。 >>フォトギャラリーはこちら >>bty ハイブリッドカタログはこちら 再生可能素材を使いながらもグッドセンスな内装広いだけでなく、インテリアのデザインや仕立てがユニークなのがいい。シートは前後とも掛け心地良好。ふんわり柔らかく深く沈み込んでソファのような感覚なのだが、コシもちゃんとあってホールド性も悪くない。 表皮はざっくりとしたファブリックで、再生可能な素材でつくられているという。シートのみならず、ダッシュボードまわりの樹脂パーツの多くにも再生可能な素材が用いられている。意識高い系ボルボだ。 樹脂パーツはプラスティッキーではあるが、細部までデザインが凝っていて、色使いもグッドセンスなので、安っぽさはない。引き出し式のカップホルダー、ダッシュボード中央に配置されたグローブボックス、充電中のスマホを隠せるストレージなど、他車では見ないデザインが多用されていて楽しい。置くだけ充電も可能。 |あわせて読みたい| 使い勝手も悪くない。ハーネス類を減らすため、ドアにはスイッチ類がなく、パワーウインドウの開閉スイッチはセンターアームレスト側にある。ドアミラーの調整はステアリングスイッチで行うのだが、鏡面部分が上下左右に動くのではなく、鏡面一体型の砲弾型の筐体そのものが動くのにはワロタ。 インフォメーションは走行関連もエンターテインメント関連もすべて中央の12.3インチ縦長ディスプレイに表示される。画面の上5分の1程度が速度など、走行に関する情報を表示するスペースに割り当てられている。 ステアリングホイールのドライバー正面にはメーター類は一切ない。各種操作はステアリングホイールに集中しているスイッチか、ディスプレイのタッチ操作で行う。それでなんの不都合もない。 インフォテインメントはグーグルのシステムで動いており、グーグルマップのみならずスマホ用に用意されているグーグルアプリの多くを使うことができる。通信機能が備わっているため、必ずしもスマホをつなぐ必要はない。 >>フォトギャラリーはこちら >>bty ハイブリッドカタログはこちら 補助金次第でお買い得感高め車体がコンパクトな分、バッテリー容量も少なくなっているわけではない。電気自動車専用の車台を活かし、69kWhと同クラスの電気自動車よりも大容量を搭載しており、一充電走行可能距離も560km(WLTCモード)と、自宅で充電できる環境があれば十分にファーストカーとして使える長さだ。普通充電はもちろん、出力150kWまでの急速充電に対応する。 走りもごきげん。最高出力272ps、最大トルク343Nmのモーターで後輪を駆動する。電気自動車としては軽い1790kgの車両を活発に走らせるには十分なパワースペックだ。蹴り出すようなスタートダッシュを楽しめる。 【アバルト 500eの詳しい情報はこちら】 モーター駆動の特性を活かしたアクセルオフによる強い減速も備わる。減速感はテスラ各モデルやフィアットやアバルトの「500e」ほど強くはなく、ほどよい感じ。ブレーキペダルを使う頻度が明らかに減る。パッドが長持ちしそう。ワンペダルドライビングの特性に慣れている人はもっと強いほうがよいと感じるかもしれない。停止寸前にクリープ現象に切り替わることなく、アクセルオフだけで完全停止できるのがよい。 後輪駆動なのでステアリングフィールが素直で心地よい。加減速と車線変更を繰り返し、都市部の混み合った道路をすり抜けるように走るのが楽しい。ただ最小回転半径は5.4mと車体サイズのわりにやや大きい。 |あわせて読みたい| “安全性が高いボルボ”という昔からのイメージを裏切ることのない安全デバイスが備わる。歩行者、自転車の夜間を含む検知機能をはじめ、右折時対向車や直進時後側方接近車両の検知機能、対向車対応機能など、乗用車の最先端をいく衝突回避の各種機能が充実している。 ACCは車線中央維持機能付きなのだが、隣車線に車両が並ぶと、自車位置をわずかに隣の車両から遠ざけてくれる(もちろん自車線の範囲内で)。 価格はワンプライスの559万円。電気自動車に対し、国のCEV補助金が65万円、東京都なら独自の補助金が45万円もらえる(4月移行も同額となる可能性が高い)。さらに区独自の補助金を設定している場合もある。 そうなると実質450万円程度のクルマとなり、ぐっと競争力が増す。テスラ「モデル3」や日産「サクラ」に次ぐヒット電気自動車になる可能性が高いと感じた。 >>フォトギャラリーはこちら <おわり> >>bty ハイブリッドカタログはこちら |
GMT+9, 2025-4-30 13:53 , Processed in 0.134082 second(s), 17 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .