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【日産キックス試乗レポ】質感は気になるがe-POWERが痛快な青春リバイバル系コンパクトSUV ...

2021-6-23 11:55| post: biteme| view: 755| コメント: 0|著者: 文:伊達軍曹/写真:小林 俊樹

摘要: キックスはノート オーラに並ぶ「素晴らしい車」だった!? 過日テストコースにて試乗した日産 オーラ(ノート オーラ)は、その隅々にまで「上質感」「精緻さ」「美意識」といったものが行き届いた、大変に素晴らしい ...

【日産キックス試乗レポ】質感は気になるがe-POWERが痛快な青春リバイバル系コンパクトSUV

キックスはノート オーラに並ぶ「素晴らしい車」だった!?

過日テストコースにて試乗した日産 オーラ(ノート オーラ)は、その隅々にまで「上質感」「精緻さ」「美意識」といったものが行き届いた、大変に素晴らしいプレミアムコンパクトであった。

そして今回試乗した同じく日産のSUV「キックス」は、オーラとは対極の車、すなわち「さほど上質ではなく」「そこかしこにアラもあって」「……美意識? それって美味しいんですか?」みたいな車ではあった。

だがそんな日産 キックスは、日産 オーラとある意味では同様の「素晴らしい車」であると、筆者には感じられた。

ほぼすべての物事が高度に成熟した2021年の世にあってはもはや稀有な、「青春の乱雑なパワー」みたいなものを全身で感じられる、そして実用的でもある、見事なプロダクトであったのだ。

以下、何がどう見事であったのか、順を追ってご説明しよう。

まずは日産 キックスという車自体についての簡単な説明を。

キックスは、海外市場では2016年から販売されている日産のコンパクトSUV。ただ、コンパクトとはいえ全長4290mm×全幅1760mmなので、日産 マーチなどでいう「コンパクト」とはずいぶんサイズ感が異なる。後席や荷室も十分以上に広い。

で、そんな日産 キックスは2020年6月、日産 ジュークというデザインコンシャスなコンパクトSUVの後釜として、日本でも発売された。

海外向けのキックスはガソリンエンジン車だったが、日本向けのパワーユニットはすべて「e-POWER」。つまり1.2Lエンジンが駆動ではなく発電を担当し、その電気で動くモーターが車輪を駆動させるというタイプのハイブリッド車だ。

プラットフォーム(車台骨格)は、現行型のノートがCMF-Bという「次世代高級小型車向け」を採用したのに対し、キックスのそれはVプラットフォームという新興国向けのもの。そして生産は日本国内ではなくタイで行われている――というのが日産 キックスの概要である。

で、「プラットフォームが新興国向けである」「タイ生産というのはどうなんだ?」みたいな部分において、いわゆる手厳しいカーマニアからは「しょせんは安物」「乗るとガタピシする」的に酷評されることもある車なのだ。

だが筆者は、キックスはそんなに悪くはない車というか、むしろ冒頭でぶち上げたとおりの「素晴らしい車」だと感じている。

一部カーマニアが指摘する「上質感がない」はその通りだが…

まず乗り心地であるが、確かに良くはない。「次世代高級小型車向けプラットフォーム」を使っている日産 ノートやルノー ルーテシアの乗り心地は「しっとりしなやか」といえるものだが、キックスのそれは少々ガサツである。

ただし舗装が良い場所では「普通に良好」であり、悪い箇所や目地段差を通過する際も「突き上げがかなりキツい」なんてことは特になく、「良くはないけど、ちょっと昔の車ってこんな感じだったよね」程度でしかない。

そして内装も、特に今回の試乗車両である「X ツートーンインテリアエディション」は色使いも華やかであるため、ぱっと見はいい感じだが、よくよく見るとウインドウの開閉スイッチなどは「……軽自動車か?」と言いたくなる質感だ。そしてドア内側の樹脂パネルの造形も、あまりにも手抜きというか割り切りが凄いというかで、思わず笑ってしまうほどである。

だがそのとき、ドライバーは笑いながらも気づくのだ。「そういえば車って、ウインドウの開閉スイッチとか、ドアの内側パネルで走るわけじゃないよな」ということに。

車にとって本質的な「走るための機能」においては、キックスは何ら問題がない。

エンジンと違って「瞬時に最大の力が出る」という電動モーターの特性上、アクセルペダルを深めに踏んだ際の加速は痛快そのもの。

また「そういった運転」はしないでゆるりと安全に巡航する場合でも、トルクフルなe-POWERシステムは十分な快楽というか気持ちよさを、ドライバーに与えてくれる。

そしてカーブを曲がる際も、高性能なスポーツカーやセダンのような曲がり方は当然できないが、まぁ普通の速度で普通に曲がる分には何の問題も危険もない。

さらに車両全体のフォルムがさほど凝った形ではなく、ざっくりいうと四角い形状であるため(なんて言ったら担当デザイナーは憤慨するかもしれないが)、運転席からの視界は前後左右ともきわめて良好。また天井が高いため圧迫感もない。

で、後部のCピラーという柱も、最近は角度的に寝ているSUVが多いのだが(寝ているほうがスポーティでカッコよく見えるため)、キックスのそれはスパッと切り立っているため必然的に後部ドアの開口部は広くなり、乗り降りが非常にやりやすくなる。

そしてさらに、コンパクトSUVであるにもかかわらず後席と荷室はきわめて広い。

具体的には、前席を普通のドラポジに合わせたうえで身長175cmの筆者が後席に座ると、ひざ元も頭上もスペース的には超余裕。190cmの人は知らないが、身長180cmぐらいであれば、おおむねこれと同様の結果になるだろう。

そして前述のとおり荷室も(コンパクトSUVとしては)非常に広く、フル乗車の状態でもゴルフバッグ2セットを余裕で飲み込む。まぁ凝った作りの「便利なデッキボード」みたいなものは設置されていないが、とりあえずは広いので、いろいろなものをぶち込んでおけるのだ。

その他、細かい部分まで触れていけばきりがないが、要するにキックスとは「普通によく走って曲がって、e-POWERだから燃費も良くて(取材当日の燃費は、特にエコドライブを意識しないで約17km/L)、人も荷物も余裕で収容する、悪くないデザインの、車両価格200万円台で買える流行りのSUV」である。

……それは「まったくもって悪くない車」に思えるが、それでも一部カーマニアからの評価が低いのは、「上質感」が確かに欠如しているからだ。

それは確かにそのとおりではある。

若い人にこそ乗ってってほしいクルマの根源的な魅力がある

前述してきたとおり、乗り味は決して悪くはないが、「絹のようだ!」というわけでもなく、インテリアの細かい部分の質感なども、そこにこだわりまくっている場合が多い最近の各車と比べれば、笑ってしまうほど低い。ついでに言えば純正オーディオの音質もイマイチだ。

……だが、「そこ」を過剰に気にするのは、動物としての生命力が低下している証左でもある。

筆者の場合でいえば、動物としての生命力が横溢(おういつ)していたハタチの頃や20代前半あたりの頃は、「内装の質感」や「オーディオの音質」など、気にしたことすらなかった。

まぁそれは「カネがなかったから」という理由も確実にあるのだが、それ以上に「そんなものに頼らずとも楽しかったから」である。

車を運転すること自体がひたすら楽しく、そして「どこへでも自由に行けるのだ!」ということが嬉しくて、ウインドウ開閉スイッチの質感など意識もしなかった。

その当時乗っていた国産中古車も純正オーディオの音質は極悪だったが、横に座る女性と愛を語らうのに忙しく、友と夢を語らうことにも忙しく、オーディオの音質など気にもとめなかった。

つまり、人は老いて「愛」と「夢」を失ったとき、BOSEやらハーマンカードンやらのシステムを欲するようになるのだ。

逆にいうと愛と夢さえ健在であるならば、そういったものなどいっさい不要なのだ……というのは多分に情緒的すぎる物言いであり、事実とも異なる。すみません。

なんだかんだで内装や乗り味の質感は高いに越したことはなく、BOSEやハーマンカードンのシステムもあったほうがいい。ていうか、ぶっちゃけ欲しい。

だがそれはそれとして、日産 キックスは「そういった部分=細かな質感とかBOSEとか」を意識的に省略することで、e-POWERによる痛快な走りと広い車内がもたらす実用性を、プロパイロットという最新の運転支援システム付きでありながら、比較的お安い価格で実現させたSUVである。

お安い分だけややガサツではある。だが貴殿がもしもお若い個人またはご家族であるならば、そのガサツさは特に気にならないはずだ。それ以上に、この車が個人や家族にもたらしてくれるプレジャー=運転し、自由に移動するという根源的な歓びを味わうことで忙しく、そんなことは視界にすら入らないのである。

だがもちろん筆者のような五十がらみのおっさんになってくると、若い時のように「安いTシャツ+短パン姿でも(肉体が若々しいから)まあまあ絵になる」なんてことがなくなるのと同様に、車も「まあまあいいモノ」を欲するようになる。

そこは仕方のない部分であるため、すべての中高年に日産 キックスをすすめようとは思わない。

だが……もしも近ごろ、自身の生命力が再び妙に横溢になりかけているのであれば(そういうことって、たまにある)、日産 キックスという「気兼ねなく付き合える、ちょっとガサツな、でも基本的には頼りになる相棒」と付き合ってみる価値は大いにある。

なぜならば、決して絹のようではない走行フィールのなかで、「青春期の特権」のようなものを、再び感じられる可能性が高いからだ。

スペック例

【日産 キックス X ツートーン インテリアエディション】
全長×全幅×全高=4290×1760×1610mm
ホイールベース=2620mm
車両重量=1350kg
駆動方式=FF
乗車定員=5名
エンジン=1.2L直列3気筒DOHC
最高出力=60kW(82ps)/6000rpm
最大トルク=103Nm(10.5kg-m)/3600-5200rpm
モーター最高出力=95kW(129ps)4000-8992rpm
モーター最大トルク=260Nm(26.5kg-m)/500-3008rpm
動力用主電池=リチウムイオン
WLTCモード燃費=21.6km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
最小回転半径=5.1m
サスペンション=前:ストラット式
       後:トーションビーム式
タイヤサイズ=前後:205/55R17(アルミホイール)
車両本体価格(消費税込)=286万9900円


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