パナメーラ? と思うほど大きくなったボディJAIA輸入車試乗会では、たくさんのモデルを試乗した。その中でも個人的にもっとも印象に残ったのは、ポルシェ「911」だった。JAIAでの試乗はごく短時間だから、クルマの良し悪しを判断するのはとても難しい。しかし、911だけは乗り出しただけでその良さが一瞬で伝わってきた。 ポルシェ 911は、2018年に991型から現行の992型になり、991と992はホイールベースこそ同じものの、全体的にはひとまわりサイズアップした。一見すると「パナメーラ?」と思うほど大きく感じる。 それまでのイメージがガラリと変わるほど先進的なインテリア乗り込んでみると、これまで911に抱いていたイメージがガラリと変わるほど先進的なインテリアになっていた。時計に例えると、これまでは機械式の時計でムーブメントがぎっしり見えるのが美徳と思っていたものが、アップルウォッチのようなスマートウォッチに置き換わった感じ。個人的にはこれが意外としっくりときた。 メインの回転計だけは針が動くアナログ式なのだが、それ以外はデジタルメーターになっている。スイッチ類は、押すとバキッというくらい硬質なスイッチも好きだったが、新型はほぼタッチパネルになっており、触れた時にパチンと跳ね返るハプティックの感触もこれはこれでありだと思った。911も現代化されているという事実は、若い世代にとっては自分も受け入れられているようで素直に嬉しい。 乗り出した瞬間からわかるクルマの緻密感とにかく乗り出した瞬間から「うわぁ……」とため息が出てしまう。クルマ全体がぎっちりと詰まっているような密度の高さがあって、ハンドルを回す手からも、ペダルを踏み込む足からも、どこからでも素直な反応が返ってくる。その精度の高い911の応答にうっとりしてしまった。 クルマに対してここまで緻密な感触を味わったことがない。駐車場を出るまでのたった数百メートルの距離でももうすっかり911にひれ伏していたのだが、外へと試乗に出るとさらなる追い討ちが。試乗コースの西湘バイパスは道路の継ぎ目が多いので、大抵の乗用車はガタンと大きめの振動が来る。ところが、911はとても滑らかにその凹凸を吸収してしまったので驚いた。これまでもドライビングモードはついていたが、コンフォートにしても元から引き締められた足回りがもっと主張していたし、ここまで乗り心地良くはならなかった。 短時間でもその良さがわかるモデル991から出力が向上した3.0L 水平対向6気筒エンジンが良いのは言わずもがな。アクセルに軽く足を乗せているだけでも、これを踏み込んだらパワーが潤沢に溢れ出してくるんだろうなという予感があってにやけてしまう。 ペダルを踏み足していくと、エンジンルームの奥底から巨大な何かが立ち上がるように強い力でクルマを押し出してくる。スピードが上がるにつれて、ピタッと地面に吸い付くように安定するのも911らしいなと思った。軽く試乗しただけでもあまりに良かったので、次は是非サーキットなどで存分に911に打ちのめされたいと思ってしまった。 ---------- スペック【 911 カレラ 4S 】 |
GMT+9, 2025-4-30 16:02 , Processed in 0.072213 second(s), 18 queries .
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