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モータージャーナリストチームでJOY耐に参戦。過酷な7時間の果てに得たもの

2017-7-15 10:00| post: biteme| view: 583| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:宮門 秀行

摘要: モータースポーツの愉しさを伝え、技術も磨く アマチュアレーサーにとって、年に一度の夏祭りである「もてぎEnjoy7時間耐久レース」。通称“JOY耐”が、7月1日(土)、2日(日)の2日間で開催された。もはや今年で17 ...

モータージャーナリストチームでJOY耐に参戦。過酷な7時間の果てに得たもの

モータースポーツの愉しさを伝え、技術も磨く

アマチュアレーサーにとって、年に一度の夏祭りである「もてぎEnjoy7時間耐久レース」。通称“JOY耐”が、7月1日(土)、2日(日)の2日間で開催された。もはや今年で17回目を迎える日本最大級の参加型耐久レースだけに、その概要を細かく説明する必要はないと思う。しかし、それでもボクがカービューに寄稿をお願いしたのは、このレースにボクたち有志が集まって、地道に参戦活動を始めたからだ。そう、カービューをはじめとした様々なメディアで活躍するニッポンのモータージャーナリストが、今年は4人集まってチームを組んだのである。

これを実現してくれたのは、石井昌道、まるも亜希子、そして当日は「86/BRZ RACE」シリーズへの参戦のため欠席となった橋本洋平という3人のモータージャーナリストが主宰する「TOKYO NEXT SPEED」。その歴史は2004年からと長く、ホンダおよび無限とのジョイントで数々の車両開発を行いながら、ときにはワークスチームを食う成績を残して活動を続けてきた。

それが昨年から規模を少しだけ拡大。これまでの目的である「モータースポーツの愉しさを広く伝える」ことに加えて、「モータージャーナリストの運転技術向上」という壮大かつ根源的なテーマを掲げたのである。そう。我々モータージャーナリストも、その運転技術を常に磨き続けて行くことが大切だと考えているんです。そうじゃなければ、みなさんに正しい評価は伝えられないですからね。

そして今回選抜されたのが、「間違いだらけのクルマ選び」の著者でもあり、いま一番多忙を極めるジャーナリストの島下泰久さんと、わたくし山田弘樹。このふたりは昨年もこのプロジェクトに参加していて、本来はここに山本シンヤさんも参加するはずだったが、彼は「GLOBAL MX-5 CUP」への参加でスケジュールが合わなかったため断念。代わりに偉大な先輩ジャーナリストであり、レーシングドライバーである桂伸一先輩にジョインして頂くことになった。

参戦車両はフィットRS。腕を磨くにはうってつけ

レースへの参加車両は、ホンダ・フィットRS。 これはいま最も安価で本格的なスプリントレースのひとつである「1.5チャレンジカップ」の車両そのもので、JOY耐にもそのまま参戦可能なことから、このクラスは激戦区となっている。ちなみに今年「FIT1.5クラス」は全86台中18台ものエントリーがあった。

そしてこのフィットRS、運転がすごく面白くて奥深い。ナンバーなしのN1車両という性格からサスペンションには車高調整式ダンパーが奢られ、セッティングの自由度がかなり高い。また安全を配慮して張り巡らされたロールケージや、万が一の火災からドライバーを守るためにカーペットやリアシートなどが取り払われた室内はレーシーで、車内には乾いたエキゾーストノートがビンビンに響いてくる。

そしてそれ以上にシビれるのが、そのドライビング。タイムを出すにはきっちりとエンジンを回しきり、なおかつレブリミッターに当てないように走って燃料カットをさせない配慮が必要。かつコーナーではそのブレーキを労りながらも果敢にターンインで攻めなくてはならなくて、タイムを出すとなるとこれが本当に難しい。また少しの抵抗でも確実なタイムロスとなるためにライン取りがとても重要で、たとえストレートでもジワーッとハンドルを切って車線を変更しなければならない。それも、86台のマシンが入れ替わり立ち替わりコース内にいる中で!

普段ハイパワーなプレミアムスポーツカーばかり乗っているとこうした“恐ろしく細かい積み重ね”によるタイム出しは非常に困難で、昨年はボクも苦労した。そして今年は、キャプテンの石井選手と変わらぬアベレージで走れたことにホッとした次第である。つまりJOY耐は、ボクたちモータージャーナリストが腕を磨き続ける場所としては、本当にうってつけなのである。

予選結果はクラス6位、総合37位

さて気になる予選は、偉大なる助っ人である桂選手と、我らがキャプテン石井選手が担当した。金曜日が初走行となった桂選手は最初こそ“フィットの洗礼”を受けたものの、2回目の練習走行ですぐさまレギュラーメンバーと変わらないタイムを出したのはさすが。なおかつ雨の予選では、ADVAN A050のGSコンパウンドを見事に使いこなして、2分34秒632と予選トップのマシンよりも速いペースでA組をクリア。

石井選手は雨量が減った路面とタイヤのマッチングに苦しみ2分36秒681となったが、JOY耐はA/B組の総合タイムで争われるため、我々は総合37位、クラス6位で予選を終えることができた。これはかなり良い感じ!

そして迎えた決勝は、前日の雨がウソのように快晴の天気となった。スタートドライバーは石井選手(28Lap)。レースは7時間の長丁場であり、義務付けられたピット回数は5回。これを桂(28Lap)→山田(31Lap)→桂(32Lap)→島下(16Lap)→石井(20Lap)の順番でつないで行く。年齢順に周回数が多く、最年少者ふたりが2スティントというのは、若手(でもないんですけどね)が不甲斐ないことこの上ないのだが、これは立派なチームオーダー。雨の予選で素晴らしい走りを見せた桂選手が多く走ることで、「万が一雨が降ったら、上位が狙える!」 という緻密な作戦なのであった。パイセンたち、ほんとすんません(笑)。

暑いというより“熱い”。熱中症対策が重要

スタートを努めた石井選手は完璧な走りを見せた。想定燃費をキャリブレーションしながら目標ラップを確実にクリアした走りはライバルたちよりもコンスタントラップが速く、時間が経つほどに順位もどんどん上がる。最後には20位を切るところまでジャンプアップ! して、桂選手にバトンを渡した。

桂選手もさすがだった。ライバルたちが徐々にルーティンピットをこなした関係もあるが、最終的には我々29号車の名前を、総合トップまで押し上げた。これで混み合った給油所でのタイムロスも十分に取り返すことができた。

そうなると一番割を食ったのはボクだったのだが(笑)、今回は2年目ということもあってタイムも順調。あまりに燃費が良すぎるため全開率が高くなりすぎ、途中タイヤとブレーキを労る走行へとシフトしたが、再び桂選手にバトンを渡すまでに5位まで順位を回復することができた。

しかし何より過酷だったのは、この暑さだった。いや、暑いというより“熱い”のだ。テッパン剥き出しのマシンからは、容赦なく反射熱が返ってくる。凍らせた給水ボトルなんて、すぐにぬる~くなってしまう。そして一番キツいのは、実は走っているときではなくて給油の待ち時間。JOY耐は安全を確保するために燃料補給をガソリンスタンドで行い、なおかつ10分経ってからじゃないとコースへと復帰できないルールになっている(だから余裕を持ってドライバー交代やタイヤ交換も行えるのだ)。

しかし給油待ちで車検場わきの順路に佇んでいると、マシンの熱気が恐ろしい程に立ち上がってくるのである! これを熟知したチームはブロワーでドライバーに風を当てるなど、さすがのホスピタリティでレースに臨んでいた。熱中症対策は来年の大きなテーマだ。

表彰台圏内からまさかの脱落…なにが!?

全てが順調。このままなら総合シングル、クラス表彰台は狙えるッ! チームがにわかに盛り上がりを見せたとき、事件は起きた。そして、連鎖した。第4スティントで4本のタイヤ交換を済ませた桂選手は、せっかくボクが出した28秒フラットをあっさり塗り替える2分27秒966を叩き出し、そのあとも順調に周回(こういうの、じつは密かにとても悲しいのです)。

しかしその順位を伝えるモニターには「♯29 60秒のピットストップ」の文字が映し出されたのである。みんなその瞬間、カオが「え゛━━(゚д゚;)))━━!!」状態。

理由は29号車のピット滞在時間が、規定の10分よりも短かったからとのことだった。タイヤ4本の交換で「10分を過ぎてしまった」と思い込んだチームの判断が、桂選手をコースへと出してしまったのである…。さらに厳しかったのは、このマーシャルからの指示を、桂選手が見落としてしまったことだった。そしてボクは必要以上に先輩を弁護する気はないけれど、これは悔しいほどに不運が重なって起こったトラブルだった。

まずピットからのサインボードに「P」の文字はあったのだが、同時に燃費状況を知らせる内容も掲示していたため、桂選手はこれを理解することができなかった。そしてコントロールタワーは我々のピットからすぐ近くにあり、両方の情報をいっぺんに整理するには、距離が短すぎた。ピット状況を把握するためにサインボードを何度も見返してアクションを待つ桂選手。これにわかりやすく応えられなかったチーム。全てはお互いのコミュニケーション不足が招いた結果だったと、ボクは思っている。

結果として29号車は3周以内にピットインできず、20分のピットストップを課せられてトップ争いから線戦離脱。その後は島下→石井へとつないだが、総合62位・クラス17位という結果でボクたちのJOY耐は幕を閉じた。

来年に向けての決意

ちなみにレースはクラス8の♯9 FSNSポテンザSPMWMFK(ホンダS2000)が、2年ぶりに王座を奪還。FIT1.5クラスは♯63 MV☆SEEKER☆K+UP☆ が優勝し、総合でも5番手と健闘した。

この結果だけを見ると、ちょっと惜しい気持ちになるけれど、それは大きな間違いだ。レースはゴールするまでが勝負で、上位はボクたちのようなミスを犯さず、きちんと7時間を走りきったチームばかりだと思う。

常にタイムという結果が出るレースの緊張感。作戦とチームワークが結果を大きく左右する耐久レースの醍醐味。モータースポーツの愉しさを安全かつローコストに再現しているJOY耐は、お世辞抜きに素晴らしいイベントだ。また今年はクラッシュによる赤旗中断も、昨年に引き続き一度もなく、参加者のレベルも相当に高い。

そんなJOY耐を、来年こそはミスなく走り抜いて結果をもぎとりたい。結果を出すことはすなわち、チームが結束できた証だと思うから。そして結果を積み上げることによって、徐々にチームのマシンも増やして行きたい。ニッポンのモータージャーナリストがもっともっと運転がうまくなって、クルマがもつ本質“走ることの愉しさ”をみなさんにきちんと伝えられるように。というわけで、来年はサインボードの文字をもっと大きくしよっと!(笑)。


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