コンパクトミニバン市場で存在感を失った日産街中でも扱いやすいボディサイズに3列シートを備え、さらに手頃な価格設定も相まって若いファミリー層を中心に支持を集めているコンパクトミニバン。代表格はトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」だが、このクラスに日産車の姿は見られない。 かつて日産も、ユニークなデザインが特徴的な「キューブ3(キュービック)」や、スライドドアを採用した「ラフェスタ」といったコンパクトミニバンを展開していた。しかし今では、この有力カテゴリーから撤退して久しいのが現状だ。 そんななか、2024年3月に発表された経営計画「The Arc」で公開された新型車のシルエットが注目を集めた。2026年までにコンパクトミニバンを市場投入するという情報もあり、期待が高まっている。 そこで今回は、この新型モデルがどのような姿になるのか、そして本当に登場するのかを考察する。 公開された映像のコンパクトミニバンは、垂直に近いテールゲートやフラットなルーフラインなど、ボクシーなフォルムが印象的である。四隅に配置されたテールランプはスクエアなリアデザインを強調し、ルーフレールの装備によって実用性の高さや“道具感”を前面に押し出している。 こうした要素は、かつてのキューブ3を連想させ、日産らしい独自デザインが再びよみがえる可能性を感じさせる。 <次のページへ続く> #日産 #コンパクトミニバン #キューブ #シエンタ #フリード コンセプトカー「ハングアウト」を市販化か一方で、ネット上では、この新型車が2021年に公開されたコンセプトカー「ハングアウト」をベースにしているのではないかと噂されている。 ハングアウトはラウンジ風の内装や前後の大型スライドドアなど、市販化には直結しにくい要素が多い。しかし、楕円形モチーフを取り入れたヘッドライトやホイールは、キューブ3を思わせるデザインである。 これらの情報をつなぎ合わせると、新型コンパクトミニバンは「キューブ3の現代版」ともいえる、背の高いデザイン志向のモデルになりそうだ。 ハングアウトの要素を市販モデル向けに落とし込み、後席スライドドアを採用してくる可能性もある。 パワートレーンについては不明だが、登場時期を考えれば最新の第3世代e-POWERを搭載すると予想するのが自然である。 <次のページへ続く> 日本向けコンパクトミニバンの登場は業績回復後が濃厚しかし、問題は「The Arc」発表時の計画が現在も有効なのかという点である。 仮に開発が進められていたとしても、深刻化する日産の経営問題が、この計画に影響を及ぼす可能性は高い。実際、経営陣の交代や国内工場の閉鎖など、当時は想定されていなかった大規模な改革が進行している最中である。 そうなると、国内市場でしか需要が見込めないコンパクトミニバンに経営資源を投じる計画が白紙となる可能性も否めない。 結論として、日産から新世代の魅力的なコンパクトミニバンが登場するのは、やはり業績が本格的に回復したその先になるだろう。現状では経営危機への対応が最優先課題であり、国内専用モデルに経営資源を振り向ける余裕は限られている。 しかし、かつてキューブ3やラフェスタで培った個性的なミニバンづくりのノウハウや、e-POWERをはじめとする先進的なパワートレーン技術は、今も日産の強みとして残っている。 もし経営環境が改善し、再び商品ラインナップの拡充が求められる局面が訪れれば、このカテゴリーに再挑戦する可能性は十分にある。 つまり、実現の時期は読みにくいものの、日産が新型コンパクトミニバンで市場に戻ってくる未来は、完全に閉ざされてはいないのだ。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ) |
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