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最後のランエボにサーキットで試乗。煮詰められたドライバビリティ

2015-7-17 14:55| post: biteme| view: 374| コメント: 0|著者: 文:石井 昌道/写真:菊池 貴之

摘要: WRCで栄光の時代を築いた日本メーカーの一角 1000台限定で発売されたランサーエボリューション ファイナルエディション。このモデルをもってランサーエボリューションXは生産終了となり、次期モデルの計画も今のとこ ...

最後のランエボにサーキットで試乗。煮詰められたドライバビリティ

WRCで栄光の時代を築いた日本メーカーの一角

1000台限定で発売されたランサーエボリューション ファイナルエディション。このモデルをもってランサーエボリューションXは生産終了となり、次期モデルの計画も今のところないことから、23年におよぶランサーエボリューションの歴史に終止符を打つことになるようだ。

そもそもランサーエボリューションは1992年にWRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションモデルとして登場。それまで三菱はギャランVR-4でWRCを戦ってきたが、コンパクトなランサーにVR-4譲りの2.0Lターボ・エンジンやフルタイム4WDなどを搭載して戦闘力アップを図ったのだ。

1987年からグループA規定で争われていたWRCは、当初ランチア・デルタが席巻していたが、業績的にも技術的にも絶好調だった日本メーカーがこぞって参戦。トヨタは1990年にドライバーズ・タイトルを獲得し、1993年には日本メーカーとして初のマニュファクチャラーズ・タイトルに輝き、スバルは1995年に両タイトルを奪取。三菱自動車も1996年から1999年までのドライバーズ・タイトルと1998年のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得するなど、日本メーカーの栄光の時代を築いた一角だった。

最後の姿は“速い乗用車の究極”

ランサーエボリューションの一つの特徴は1~2年間隔という極めて短い期間に改善が施されることで、それはもちろんWRCでの勝利を目指すため。今よりもモータースポーツと市販車の関係性が濃厚だった時代ゆえの現象だが、ファンはエボリューションのたびに造り手の情熱を感じて常にワクワクさせられたものだった。

I~IIIは5代目ランサーベースの第一世代で、WRCで勝つことが主眼。IV~VIは6代目ランサーベースの第二世代で、WRCを戦うだけではなく高性能4WDセダンという役割も担うことになった。VII~IXはランサーセディアがベースの第三世代で、速さだけではなく走りの質感をも追求。

そしてXはギャランフォルティスをベースとした第四世代で、誰もが安心して楽しめる最終進化型高性能4WDセダンと位置付けられている。4WDに電子制御を積極的に採り入れてきたランサーエボリューションは、どんな状況でも速く、誰が乗っても速さを引き出せる“速い乗用車の究極”というのが最後の姿なのだ。

雨のサーキットでアクセル全開

ランサーエボリューション ファイナルエディションの試乗の舞台は、そのパフォーマンスを存分に発揮できるサーキットだったが、当日はあいにくの雨。恨めしく空を睨んでみたが好転する予兆はまったくない。仕方なしに、どんな状況でも速い高性能4WDだから問題ないはず、と言い聞かせてコースインしていく。

だが、路面は想像していたよりもスリッピー。タイヤがドライ志向だからか、コースが磨かれているからか定かではないが、ツルツルとよく滑る。思わずレッドゾーンまで引っ張らずショートシフトしそうになったが、ファイナルエディションの最大のトピックスはエンジンパワーが増強されたことなのだからそれは許されない。意を決してアクセルを全開にし、高回転まで引っ張っていく。

ランサーエボリューションXは発売当初が280PS、2008年のマイナーチェンジで300PSと進化してきたが、今回は313PSに達した。最大トルクも422Nmから429Nmへとわずかながらも増強されている。

高回転域でのシャープなフィーリングに興奮

もとから十分に速いエンジンではあるが、ファイナルエディションは高回転域での伸びがいい。4000rpmあたりでも頼もしいトルク感があるが5000rpmを超えるとさらに活気づき6500rpmまでは勢いよく回っていく。

7000rpmまで引っ張れるが最後の500rpmは穏やかな頭打ち感があり、ドライバーにシフトアップを促してくる特性がいい。タコメーターを見なくても、適切なシフトチェンジポイントがわかるからだ。最近ではもっとパワフルな2.0Lターボ・エンジンも現れているが、高回転域でのシャープさはいかにもスポーツユニットというフィーリングで興奮させられる。

パワーアップを可能としたのはナトリウム封入排気バルブを採用して冷却効率が高まったからだという。ベースのバルブでは中実だったステム部と傘部を中空としてナトリウムを封入。高温では液体となるナトリウムが流動することで、傘部で受けた熱をシリンダーヘッド側へ逃がして冷却効果を高めるシステムだ。

レーシングカーやチューニングカーでは広く採用されているが、最近ではエンジンの熱効率を高めて燃費改善を狙うときにも用いられている。

S-AWCの3モードを試す

路面は滑りやすかったが、最終進化型のランサーエボリューションはドライバーとクルマの対話がじつにしやすく、次第に攻めの気分が盛り上がっていった。タイトコーナーへ多少オーバースピード気味に入っても、行きたい方向へステアリングを向けて少し待ってあげれば面白いように向きがかわっていく。そこからアクセルを踏み込めば4つのタイヤの能力をフルに引き出して前へ前へとクルマを推し進める。

4輪の駆動力&制御力を統合制御するS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)は「TARMAC(主にドライ)」「GRAVEL(主にウエットやダート)」「SNOW(主に雪道)」と3つのモードがあり、いろいろと切り替えながら走ったが、「GRAVEL」あたりだと安心感が高い。今回のコースはフルブレーキの後に下りの中速コーナーへ突入する場面があるのだが、アプローチで姿勢が程よく安定してくれるからだ。

ただし、登りセクションで曲がりながら加速していく場面では「TARMAC」のほうが狙ったラインをトレースしながら躊躇なくアクセルを踏んでいける。「SNOW」も悪くはなく、トラクションも強大で面白いが、アクセルオンでのプッシュが大きい。

ASC(横滑り防止装置)のオフスイッチも付いていて長押しすればAYCのブレーキ制御も解除される。これはこれで慣れれば自在感が増して楽しい。とはいえ、悪コンディションの中、安心と楽しさのバランスをとるなら、AYCだけ解除のオフスイッチ短押しというのがいいようだ。もっともこれはコースの状況やドライビングスキル、好みなどがあるので、どれがいいと一概には言いにくいが、操縦性を変えられるというのは間違いなく大きな価値がある。

公道での乗り心地が良さそうな感触

タイヤはウエットで期待したほどグリップしてくれなかったが、サスペンションがしっとりとしていたので扱いやすかった。ベースではオプションのビルシュタイン・ショックアブソーバー&アイバッハ・スプリングが標準装備されていたのだが、これがしなやかでダンピングもいい。動きの質が高く、公道での乗り心地が良さそうな感触だった。

ランサーエボリューションは、当初こそ「やっぱり4WDは曲がらない」と思わせたものの電子制御を味方につけてからは面白いように曲がるクルマになった。だがそれが“乗せられている感”に繋がってイヤだな、というイメージも長年にわたって持たれていたが、改めてファイナルエディションに乗ってみると、よくぞここまでドライバビリティを煮詰めてきたものだと感心させられる。

これで終わってしまうのは寂しい限りだが、今後はS-AWCを搭載するアウトランダーなどに、その経験と情熱が引き継がれていくという。

内外装に多数の専用装備。先行予約でほぼ完売状態

エンジンのパワーアップに、ハイパフォーマンスパッケージ用のサスペンション/ブレーキ/タイヤの標準装着といったところがファイナルエディションの走りにかかわる商品特徴。その他、ベースではオプションのBBSホイールは専用塗装され、レザーコンビネーションレカロシートは専用ステッチを施して装着される。

そしてファイナルエディション専用なのがエクステリアではブラックルーフ、フロントバンパーとフードエアアウトレットのカラー、リアバッジなど。インテリアではピラー&天井のブラック化、各部に入れられたレッドステッチ、シフトノブの奥に配されるシリアルプレート、エンジンスタート時にメーターへ現れる専用オープニング画面などだ。

お断りしておかなくてはならないのは、8月発売のファイナルエディションだが先行予約の段階でほぼ完売に達しているということ。今から手に入れるのはかなり難しいだろう。

三菱自動車からスポーツカーがなくなる……

ランサーエボリューション ファイナルエディションは、モータースポーツで勝つというシンプルだが熱い目標に向かってエンジニアが情熱を傾け、日本の自動車メーカーが世界を超えたと思わせてくれた1990年代の熱狂を濃厚に匂わせていた。こういった香ばしいクルマが消えていくのも時代の要請なのだろうか?

考えてみれば、これはランサーエボリューションが終わるだけではなく、三菱自動車からスポーツカーがなくなるということでもある。スポーツカー、あるいはスポーティカーをラインアップしない自動車メーカーはメジャーどころではほとんどなく、それがどういった影響をもたらすのか注目しておきたい。

「選択と集中」はじつに聞こえがいい経営判断で、日本企業でも流行しているが、様々な業種を見回してみても成功例は案外と少ないものである。

スペック

【 ランサーエボリューション ファイナルエディション 】
全長×全幅×全高=4495mm×1810mm×1480mm
ホイールベース=2650mm
車両重量=1530kg
駆動方式=4WD
エンジン=2.0L直列4気筒DOHCターボ
最高出力=230kW(313ps)/6500rpm
最大トルク=429Nm(43.7kg-m)/3500rpm
トランスミッション=5速MT
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:マルチリンク式
タイヤサイズ=245/40R18
JC08モード燃費=10.4km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
車両本体価格=429万8400円


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