「ロードスター」に「シンクロウェザー」を履かせてみた筆者の愛車であるマツダ「ロードスター」に、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を履かせてみました。 オールシーズンタイヤとは、夏だけでなく冬場の雪道まで対応可能というタイヤです。とても便利なタイヤですが、スポーツタイヤではありません。週末ごとに、ワインディングやサーキット走行を楽しむように「ロードスター」を使っている人には、とてもおすすめできません。 ではなぜ、筆者は愛車のロードスターにオールシーズンタイヤを履かせたのか? それには自分のクルマの利用状況に理由があります。 まず、「ほかのクルマを持っておらず、どこに行くのも、一年中、このロードスターだけ」だから。仕事の足として利用しているので、取材のために、冬場に雪のあるエリアに、クルマで向かう必要もあります。 これまでは、そのたびにスタッドレスを履いたレンタカーを用意するなどして凌いできました。それがオールシーズンタイヤ、しかも雪道にも強いシンクロウェザーであれば、この1セットで一年を通して走ることが可能となります。 >>【まさに二刀流】「シンクロウェザー」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: 本格的なスポーツ走行をしなくなったのも選択理由次に、「サーキット走行などの本格スポーツ走行は行わない」という愛車の使い方も選択理由です。かつては、愛車の足回りを変えてサーキット通いをしていた時期もありましたが、今はすっかりサーキットが遠のいています。 しかも、筆者のロードスターは、軽さを売りにする「990S」というグレードです。ヒラリヒラリとした軽快な乗り味を出すために、デフはオープンであり、ダンパーの減衰力は最低限度。つまり、サーキットなどの高負荷のかかる本格的なスポーツ走行は守備範囲の外となります。 この2つの理由から、1年を通じて、しかも雪道も走れるシンクロウェザーを選んだというわけです。ちなみに、これまで装着されていたのはロードスターの純正タイヤで、銘柄は横浜ゴムの「アドバンスポーツV105」(195/50R16)です。 アフターマーケット用とはサイズが違いますし、ロードスター用に調整されているはずですが、剛性感があり、レスポンスと乗り心地、ライフなどのバランスのとれた良いタイヤだと感じていました。 不満はありませんでしたが、純然たるサマータイヤなので雪道はまったくダメ。ということで今回、メジャーリーガー大谷翔平選手のCMでも話題の新製品、シンクロウェザーに履き替えることにしたのです。 >>【まさに二刀流】「シンクロウェザー」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: 第一印象は「それほど悪くないな~」では、ダンロップのシンクロウェザーとはどのようなタイヤなのでしょうか。その最大の特徴は、従来のオールシーズンタイヤよりもカバー範囲が広いということです。 なんと、凍った路面にまで対応してくれます。新製品のメディア向け試乗会に参加したところ、ひと世代前のスタッドレスタイヤと同等の氷上性能を実感できました。 これまでの常識をくつがえす高性能さは、環境によってゴムの性質を切り替える「アクティブトレッド」という新技術によって実現されます。 シンクロウェザーは、水と温度によって性質を変えるゴムを使っており、水に濡れると柔らかくなり、温度が下がっても、また柔らかくなります。逆に、乾いたり温度が高くなると、硬くなってゴムの剛性が高まるのです。 この変化する性質により、夏場は剛性感を保ち、冬場の雪道でもグリップするタイヤが実現したというわけです。 ちなみに、ロードスターに装着したシンクロウェザーのサイズは195/50R16で、タイヤラベリング表示では、転がり抵抗が「A」、ウェットグリップが「b」となります。転がり抵抗の性能はAAAからCまで5段階の真ん中であり、ウェットグリップは4段階の良い方から2番目というものです。 そんなシンクロウェザーに履き替えた印象は、どうかといえば、最初に感じたのが柔らかさです。ほんのわずか、微小舵の部分の手応えに柔らかさを感じました。 ただし、街中レベルの走行では、腰砕けになることはありません。あくまでも表面が柔らかいという感触です。以前、エコタイヤに履き替えたときと比べると、ダイレクト感の悪化はわずかという印象です。「それほど悪くないな~」という感想です。そして、若干ですが、タイヤからの騒音も小さくなったような気がします。特に、筆者の所有する990Sは、同じロードスターの他グレードと比べても遮音材が少ないため、相当にノイジーですから騒音が小さくなるのは嬉しい変化です。 >>【まさに二刀流】「シンクロウェザー」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: トータルで考えると、デメリットが少なくメリットが多い土砂降りの雨の高速道路を走っても、不安感はありませんでした。シンクロウェザーのウェットグリップ「b」という性能は、高性能スポーツタイヤには劣りますが、普及版のエコタイヤよりは上になります。 さらに嬉しいのは、燃費が若干よくなっているようです。正確に測定はしていませんが、1割近くも燃費が良くなっているように感じます。 最後に見た目です。シンクロウェザーは、タイヤの接地面の角が張っており、また、トレッドパターンは典型的な“オールウェザー風”。つまり、まったくもってスポーティではありません。こればかりは、仕方ありません。 トータルで考えてみると、シンクロウェザーへの交換は、デメリットが少なく、メリットの方が多いというのが結論となります。ハンドリングの悪化はわずかでありながら、騒音が減って、燃費が高まり、そして雪道への不安が解消されました。 ただし、ロードスターは、ハンドリングの良さが魅力のクルマです。そのハンドリングの良さは、わずかですが、確実にスポイルされます。ハンドリングの劣化を認めたくない人にはおすすめできません。 一方で、ロードスターは飛ばすだけのクルマではありません。とても懐の深いクルマです。オープン走行の爽快さを楽しむために、のんびり走るのを楽しみにする人もいます。当然、降雪エリアに住む人もいるでしょう。 そうした人にとって、凍った路面まで対応できるオールシーズタイヤは、頼もしく、そしてありがたいはず。だからこそ、オールシーズンタイヤを選択肢にしてもいいはずです。 (終わり) >>【まさに二刀流】「シンクロウェザー」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: (写真:ダンロップ) |
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