これまでの性能はそのままに安全性能と快適性をアップ2013年に登場し、軽ハイトワゴン市場の拡大とともに、というか自らも同市場の拡大に大きく貢献しながら、2世代を通じて国内累計販売台数130万台を超えるヒット車種のスペーシア。この度フルモデルチェンジして3代目となり、ライバルの進化に応えるように、備わっているべき性能、機能が装備された。 顔つきの異なるスペーシアとスペーシアカスタムの2本立てで、これまで通りエンジンはターボとノンターボがあり、カスタムでのみターボを選ぶことができる。 >>新型スペーシアのカタログ情報はこちら 激しい競争の結果、動力性能、燃費性能、それに車内の広さが各社ハイレベルで横並びとなった軽ハイトワゴン。新型はそれらを維持したうえで、安全性能と便利機能を充実させてきた。シートやシートバックテーブルが進化して後席の快適性が増したほか、電動パーキングブレーキが備わり利便性がアップした。衝突被害軽減ブレーキの検知性能がアップし、安全性も向上した。(続く) >>現行型スズキ車のカタログページはこちら 車内で過ごす時間に合わせた便利機能が満載エクステリアデザインはキープコンセプト。スペーシア、スペーシアカスタムともに前後デザインはひと目でスズキ車とわかるスズキ顔だが、新しさはない。コンテナをイメージしたというボディサイドのビード形状は、実物を見ると画像で見るよりも立体感が感じられた。規格によって全長、全幅を拡げられないなか、いかに車内空間を犠牲にすることなく凹凸をつけ、ただの箱ではなく抑揚あるデザインにするかが軽ハイトワゴンの勝負なのだが、新型はうまくいっている。 >>新型スペーシアのカタログ情報はこちら インテリアで目につくのは立体的なダッシュボードデザインだ。ディスプレイが収まる中央部分が飛び出すように配置され、その他は機能ごとにブロック分けされたようなレイアウトになっている。初めてでも直感的に使える。助手席前のビッグオープントレーは、コロナ禍をきっかけに車内で過ごす時間が長くなっている傾向を踏まえ、食事や作業をしやすくするためのものだ。 スペーシアの後席テーブル 子ども用のマグカップにも対応 ボックスティッシュ収納に最適の引き出しやメーター上のトレーなど、あらゆるところに小物を収めるスペースが確保されている。フロントドアオープナーの上にわずかなスペースがあり、開発陣に何用か尋ねると、リップスティック用だという。へぇー。 >>先代スペーシアのカタログ情報はこちら リアシートの座面前端がフラップ形状となっていて、立てれば荷物を置いた場合のストッパーになり、斜め下に傾けるとふくらはぎを支えるサポーターとして使える。停車時にゆったりと過ごす場合には、そのフラップを前へ飛び出させ、投げ出した足を支えるオットマンとしても使える。新型の目玉機能だ。シートバックテーブルの一部が波打った形状となっていて、スマホやタブレットを好きな角度で立てかけられるようになっているのには感心した。YouTubeおよびNetflix対策だ。 車内のこうした便利機能は、例えば塾から出てくる子供を待つちょっとした時間を快適に過ごしたいといった、市場調査によって得られた具体的な要望をかたちにしたものだという。プロダクトアウトではなく完全にマーケットインのクルマづくりだ。 静かさはN-BOX優位だが走りは十分ターボ車は最高出力64ps、最大トルク98Nm。軽ターボ車として標準的で、よくできたCVTのおかげもあって、910kg(FWD車)の車体を痛痒なく走らせる。静粛性は、ずば抜けて静かなホンダN-BOXほどではないにせよ、不満のないレベルだ。三菱デリカミニと同等。最高出力49ps、最大トルク58Nmのノンターボ車は、エンジンの高回転を使う頻度と時間が増えるため、その分やかましい。ノンターボ同士の静粛性を比べるとN-BOXの優位性が際立つ。 背高なクルマとは思えないほど安定感があって、よほど乱暴な操作をしなければ旋回時にグラリと揺れて不安な思いをすることもない。乗り心地は最新軽ハイトワゴンの平均ポジションにある。軽ハイトワゴンは成熟しきっていて、どれかだけが突出した性能をもつことはない。 >>新型スペーシアのカタログ情報はこちら 全車マイルドハイブリッドなのが効いて、燃費はスペーシアの得意分野だ。N-BOXのターボが20.3km/L、ノンターボが21.6km/L、デリカミニのターボが19.2km/L、ノンターボが20.9km/Lなのに対し、スペーシアはターボが21.9km/L、ノンターボが23.9km/L(燃費スペシャルの廉価版だと25.1km/L)と一番良い。 >>先代スペーシアのカタログ情報はこちら スペーシア カスタムのインテリア グレードを問わず、Aピラーが前後2分割となっていて、前方の視界がよいので運転しやすい。ヘッドアップディスプレイはフロントガラスではなくプラスティックパネルに投影するタイプだ。予防安全性能も進化した。前方の障害物を検知するために従来のステレオカメラに代えてミリ波レーダーと単眼カメラを採用し、検知範囲が拡大した。上級グレードには全車速追従および停止保持機能、さらに車線中央維持支援機能が付いたアダプティブクルーズコントロールが備わる。 新型スペーシアは、ユーザーの意見を最大限取り入れ、2代目よりも確実に進化した使い勝手のよいハイトワゴンだった。街なかでしょっちゅう見かける様になるまでに時間はかからないだろう。2色、3色しか設定しないモデルもあるなかで、スペーシアに8色、スペーシアカスタムに7色のボディカラーが設定されている点は素晴らしい。豊富な選択肢の中から選ぶ楽しみを与えてくれる。どうせ売れるのは2、3色に限られるにしても。 <終わり> >>現行型スズキ車のカタログページはこちら |
GMT+9, 2025-6-23 05:13 , Processed in 0.117133 second(s), 18 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .