国内販売ができなくなる車種もある2023年暮れに、ダイハツが認証関連で170を超える不正をしていたことが明らかとなってから、トヨタグループが揺れ続けています。 あらためて、ダイハツの不正について整理しましょう。 とくに悪質とされた「ダイハツ グランマックス」とそのOEM車である「トヨタ タウンエース」/「マツダ ボンゴ」の各トラックモデルの型式指定が取消処分となり、事実上国内での販売ができなくなりました。 その他のダイハツ生産車についても国土交通省から出荷停止の指示が下されました。 一方で、安全が確認された車種では出荷停止が解除されるケースも出ていて、「トヨタ プロボックス」や「ダイハツ ミライース」「ハイゼットカーゴ」「ハイゼットトラック」は、そのOEM車も含めて生産や販売が再開できる状況になっています。 【ダイハツ グランマックスカーゴ】>価格やスペックはこちら >価格やスペックはこちら アルファード/ヴェルファイアも生産停止しかし、今回の“一連の”事件はこれだけでは終わらなかったのです。 年明けには、トヨタグループの源流といえる豊田自動織機でもディーゼルエンジンに関する不正が発覚、「ハイエース」や「ランドクルーザー」や「ハイラックス」といったトヨタを代表する圧倒的知名度をもつモデルが軒並み生産休止となってしまいました。 さらに悪いことに、同じ工場で生産している「アルファード/ヴェルファイア」まで生産が止まるなど、驚くべき影響がでています。 そしてこれらの車種については、事執筆時点(2月上旬)ではいつ解決するのかまったく先が読めない状況です。 【トヨタ ヴェルファイア】>価格やスペックはこちら 豊田自動織機の不正ではなく、トヨタの問題ダイハツの不正は、ダイハツが型式指定を申請したクルマのものでした。その意味で、トヨタは親会社とはいえ被害を被ったという見方もできましたが、豊田自動織機が不正を行ったディーゼルエンジンを搭載するモデルの型式指定を申請しているのは、他ならぬトヨタ自身です。 型式指定という仕組みからすると、豊田自動織機の不正ではなく、トヨタの問題と言えるわけです。 もしもこのディーゼルエンジンに関する不正で型式指定が取消されるようなことがあれば、トヨタの他のモデルラインナップにも大きな影響が出てくることは確実です。 なぜなら、型式指定の不正を行ったメーカーには、「当該型式指定申請の却下」や「並行して行っている他車種の審査の一時停止」といった制裁措置が待っているからです。 さらに不正を行ったメーカーは、その後の申請における審査が厳格化される(立会審査の増加など)という方針まであります。 当然、審査が厳格化されれば開発スケジュールは遅れるため、経営的にいえばこちらの内容も制裁といえるでしょう。 つまり、今回の不正とはまったく関係ないはずのモデルであっても、モデルチェンジのタイミングが遅れる可能性や、場合によっては予定されていた新型車が投入できなくなることがあり得るのです。 >ロッキーやライズも危ない? 「型式認定取り消し」の衝撃波と、ダイハツブランドの未来 【トヨタ アルファード】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら ダイハツの新車投入の時期はまったく見えない状況ここでダイハツに話を戻すと、親会社のトヨタでは「不正の要因としてビジネス範囲を広げ過ぎた」という反省の声も聞かれます。 その対応として、「ダイハツは軽自動車にリソースを集中させる」という話も出ているようです。 つまり型式指定で不正を行ったメーカーは生産計画がズタズタになり、新車投入の時期も見えなくなってしまう、いばらの道が待っているわけです。ダイハツの場合、小型車の開発もできなくなるかもしれません。 そうなると、まず心配になるのは次期「コペン」でしょう。 【ダイハツ コペン】>価格やスペックはこちら 次期コペンと次期ムーヴの開発は立ち消えか2023年のジャパンモビリティショーでダイハツがお披露目した「ビジョン コペン」は小型車サイズのオープン2シーターのスタディで、駆動方式もFFからより本格的なFR(後輪駆動)にスイッチすることを想定しているとアナウンスされて注目を集めていました。 しかも単なるコンセプトカーではなく、ジャパンモビリティショーでのお披露目を量産に向けたリサーチの場と捉えているという話もあるほど、本気を感じさせるプロジェクトでした。 しかし、ダイハツの置かれている状況を考えるとFRで小型車サイズの新プラットフォームを用いる新型コペンというコストや開発リソースのかかる商品企画は、あまりにもタイミングが悪すぎます。現実的には量産化はだいぶ遠くなってしまったのではないでしょうか。 また、2023年に生産終了となった軽ハイトワゴン「ムーヴ」の次期型も、2023年前半には発表されるはずと言われながら、今もまったく先が見えない状況が続いています。これは前述のように、新型車の型式指定申請が保留されているからでしょう。 予定より一年以上遅れて市場投入する場合、設計や開発コンセプト、先進技術の鮮度は落ちてしまうため、場合によってはもう一度見直す必要も出てくるでしょう。 【ダイハツ ムーヴ】>価格やスペックはこちら >価格やスペックはこちら ランドクルーザー70と250も販売時期を見直しディーゼルエンジン不正の対象モデルではありませんが、その影響で生産が止まっている「ランドクルーザー70」の状況も微妙になってきました。 そもそも国内販売割り当てに限りのある70はかなりのバックオーダーを抱えているとされ、生産が止まったことで納期がさらに延びるのは確実です。 さらに気になるのは「ランドクルーザープラド」の後継モデルとして2024年内の発売が予定されている「ランドクルーザー250」でしょう。 ランドクルーザー系全体の生産計画がズレ込んでいることは確実ですから、ランドクルーザー250の販売時期も含めて、見直しが必要となることは必至といえます。 【トヨタ ランドクルーザー70】>価格やスペックはこちら >価格やスペックはこちら 不正ディーゼルを積むハイラックスも再開が危ういディーゼルエンジンの不正が発覚したモデルの中では、ピックアップトラック「ハイラックス」がもっとも心配な一台です。 ランドクルーザーやハイエースにはガソリンエンジン車もありますが、ハイラックスはディーゼルエンジンだけのラインナップです。 もしディーゼルエンジンの設計などを見直す必要が出てくると、モデルとしての販売自体が難しくなるかもしれません。 いずれにしても、人気モデルの生産・販売スケジュールが乱れている現況はユーザーからすれば「たまったもんじゃない」話です。 しっかりと検証を進めつつ、はやく正常な状況に戻ることを期待したいと思います。 【トヨタ ハイラックス】>価格やスペックはこちら <終わり> <写真:トヨタ、ダイハツ> 終わり> |
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