話題に事欠かない新型チェロキー今年5月に発売されたチェロキーは何かと話題の多いモデルだ。クライスラーがフィアットグループの一員となってから開発されたこともあって、従来のヘビーデューティ路線から一転、アルファ・ロメオ ジュリエッタのプラットフォームをベースとした横置きエンジンのモノコックボディとなった。 デザインも、いかにもジープなスクエアスタイルから少々ブッ飛んだ近未来スタイルへ。その他にも“ヘッドライトはソッチじゃなくてコッチ?”“ATはなんと9速!”など、とにかく話題には事欠かないのである。 車高は2種類あり、オフロード寄りの「トレイルホーク(Trailhawk)」だけが他のグレードより40mm高い220mmで、「ロンジチュード(Longitude)」と「リミテッド(Limited)」は180mmと低め。個人的な好みとしては、妖しく黒光りする「ブリリアントブラッククリスタル」のボディカラーで低全高のモデルが、この近未来スタイルには似合うと思っていた。 初の限定車は“戦士”からインスピレーションところが、このほど初の限定車として発売された「ウォーリアー(Warrior)」はオフロード寄りの「トレイルホーク」をベースとしながら、「ドンズバッ」と心に刺さってきた。特別色の「エコグリーン」が冴えまくってるからだ。 “エコ”などと聞くと何やら優しいほんわかしたカラーを想像してしまうが、戦士・勇士を意味するウォーリアーのネーミングに相応しいアーミー調で俄然強め。古いジープでベタなオリーブ色だと強面すぎるかもしれないが、このスタイルなら洒落が効いている。ボンネットのマットブラックデカール、ブラックのアルミホイールも精悍だ。ボディカラーは定番の「ブリリアントブラッククリスタル」も選択できる。 そして、通常はオプション設定されるオフロードキット、セーフティパッケージII、ナッパレザーシートを標準装備。約70万円分の装備が追加されながら、トレイルホークに対して15万円高に収まっているので買い得感は高い。 ドライバーを愉しませようという意思オンロードでの走りは、車高が高いゆえ「ロンジチュード」や「リミテッド」に比べると少しおっとりとしている。だが、オフローダーにありがちなフワフワとした感覚ではなく、適度に締まっているのでワインディングなどでも意外なほどよく走ってくれる。 攻め込むような走りをすればV6エンジンを搭載したノーズが重たく感じる場面もあるが、サスペンションがスポーティ仕立てでジワリとタイヤを路面に押しつけていくので、安心してコーナーを駆け抜けていけるのだ。さすがはアルファ・ロメオ譲り(!?) オフロード寄りのSUVながら、オンロードでドライバーを愉しませようという意志が感じられる。 ユニークな魅力を放つ“お得なモデル”V6エンジンは、直4ターボに比べると低回転域のトルクは細めだが、シャンシャンとスムーズに回って気持ちいい。9速のATは日本の高速道路の速度ではトップギアを使うことはほとんどないのが少々残念。自慢の多段を、まだ完璧には使いこなしていないのかな、といった印象だ。とはいえ、ドライバーの意志を汲み取って結構頻繁にシフトチェンジしつつも、スムーズで無用な前後Gを発生させないなど動的質感はまずまず。普通に使っていて不満はない。 横置きエンジンとなってもジープ・プランドとして悪路走破性に手を抜くことはなかったというチェロキーだが、やはり得意なのはオンロード・ユースなのだと再認識した。オフロード風味と近未来感、それに洒落たアーミー感が融合してユニークな魅力を放つ「ウォーリアー」も、都会を走り回るアーバンクルーザーとしての資質をしっかり持っていたのだ。 主要スペック【 ジープ・チェロキー ウォーリアー(150台限定)】 |
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