EV版「EQG」と「Gクラス」は当面併売される1979年に登場した「メルセデス・ベンツ Gクラス」は「ポルシェ 911」に匹敵するほどの40年以上も変わらぬアイコニックデザインとICEパワートレーンを継承し、今日まで市場で存在感を示している。 もう少し正確に言えば1992年、2008年、2012年に法規に合致させるためにインテリアやLED灯火類などをアップグレード、さらに2018年に開催されたデトロイトオートショーではABSやESPさらに4ETS(4輪電子トラクション制御)やブレーキアシストなどが大幅に進化した新型Gクラス(開発コード:W463)が世界初公開された。 当時のメルセデス・ベンツCEOディーター・ツェッチェとアーノルド・シュワルツェネッガーによって真っ赤な炎が立ち上るなかでフルモデル・チェンジと紹介されたニューモデルの外観はしかし殆ど変わっていなかった。 ちなみに「ゲレンデヴァーゲン」の名で人気を博している日本市場でもGクラスは好評で、輸出出荷割り当てが整った2021年には5238台と輸入車では総合10位、メルセデス・ベンツ日本のラインアップでも1位と記録的な販売成績を達成したのは記憶に新しい。 >>Gクラスってどんなクルマ? 公式画像や詳細情報はこちら 一方、現社長のオーラ・ケレニウスが掲げる2035年までの完全EV化という戦略下にあってGクラスも例外ではなく、同社は「EQG」と名付けられたBEVのコンセプト・モデルをジャパン・モビリティ・ショーで公開、2024年には既に発売が予定されている。 それゆえにICE搭載の現行モデルの去就が注目されていたわけだが、最近になって同社はBEVバージョンの発売後もしばらく併売することを決定した。この背景には「EQS」や「EQE」などの高級BEVがアメリカなどで苦戦しており、反対にICE搭載の「Sクラス」が安定した売れ行きを見せているという事実がある。 >>EQSってどんなクルマ? 公式画像や詳細情報はこちら ガソリンモデルも内外装がアップデートされる!ところで2024年以降、同じショールームに並ぶことが予想されるハイテックな“BEVバージョン”に見劣りがしないように、継続生産販売されるICEを搭載したGクラスも、電動化されたEQGと並行してアップデートが行われていることがわかった。 >>Gクラスってどんなクルマ? 公式画像や詳細情報はこちら このアップデートをPRするために、メルセデスGクラスの開発チームは完成に向けての最終開発を終えた新しいICE搭載モデルのプロトタイプの助手席から取材することを許してくれたのである。 テストコースに現れた試乗車はカムフラージュが施されていたが、半世紀近く経過した2ボックスの角ばったエクステリアデザインには大きな変化は見られない。フェンダー上に乗った武骨なターニングライトユニットも健在だが、もちろん歩行者安全のために衝撃が加わると沈み込む設計になっている。 ただしフロントのグリルおよびLEDによる丸形デイライトが組み込まれたヘッドライト周辺は特に厚化粧が施されており、この辺りがリファインメントの中心となっているようだ。同行した開発エンジニアも新しいボディは空力特性の向上が図られていると説明している。 Gクラスのアイコンの一つである頑丈そうなドアグリップの開錠ボタンを親指で力強く押して助手席に乗り込むと、目前にこれも継承された伝統の一つである横一文字のアシストグリップが目に入る。 しかしドライバー正面景色は一変しており、Sクラスから移植された大きな2枚のデジタルスクリーンとマルチファンクションステアリングホイールが並び、音声入力に対応するMBUXを初採用するなど大きく進化している。 また、リアコンパートメントも明らかに居住性が改善され、リアシートのバックレストが分割式になるなど利便性も向上しているが、残念ながらインテリアは撮影禁止だった。 >>Gクラス(現行型)の公式画像や詳細情報はこちら 全エンジンが48Vマイルドハイブリッド仕様になるところでもっとも大きな変化はボンネットの下に見られる。すべてのエンジンには48Vのマイルドハイブリッドが装備され、さらに4リッターV8エンジンは今回テストした「メルセデスAMG G63」専用となる。 こうしたグレード整理の背景には、V8をオーダーするGクラスオーナーの殆どがAMGを選択しているという市場調査があるそうだ。正確な出力データは未発表だが、発進時および登坂路での力強さから想像するに低速トルクの改善を含め若干のパワーアップが行われているはずだ。 >>Gクラス(現行型)のグレード情報はこちら さらにオフロード走行で感銘を受けたのは、新たにオプションで採用される油圧制御のダンパーをもったAMGアクティブライドコントロールである。この最新のシャーシによって各車輪のグリップが向上し、トラクションが劇的に改善している。 一方でアウトバーンでのクルージングテストではフラットで快適な乗り心地を提供しているのが体感できた。ニューGクラスはオフロードでもオンロードでも、パフォーマンスがさらに一段高いレベルへと進化している。 ICE搭載のGクラスの生産販売継続は、充電インフラなどが未だ発展途上の日本のゲレンデヴァーゲン・ファンにとっては間違いなく朗報だろう。ただしこの原稿を書いている12月にはメルセデス・ベンツからはまだ正確な導入時期や価格などは発表されていない。<終わり> >>Gクラスってどんなクルマ? 公式画像や詳細情報はこちら |
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