続々と既存モデルのピュアEVを開発するメルセデスメルセデス・ベンツは2035年までの完全電動化を目指し、続々と新しいBEV(電気自動車)を発売している。彼らの戦略の特徴はVWのIDに見られるようにBEVに特化した完全に新しいシリーズを送り出すのとは違って、ICE(エンジンのこと)を搭載する既存シリーズをそのままBEVに置き換えようとしている点にある。すなわち「Sクラス」は「EQS」に、「Eクラス」は「EQE」にという具合だ。さらに驚いたことに2021年のミュンヘンIAAでは「Gクラス」のEVバージョン「EQG」を公開した。 >>メルセデス・ベンツ EQSのカタログ情報をチェックする EV版はメルセデスが目指す本当のGクラスになる!?別ページで紹介したように年間販売台数わずか4万台というカルトな存在のGクラスは、その四角いスタイルやキャラクターから見て必ずしもEVに向いているとは思われない内容をもっている。その結果、メルセデス・ベンツ社内でもGクラスのEV化を疑問視する声が少なからずあったと言われる。 それでも今回、南仏のカルカソンヌで開催されたプロトタイプ試乗に出席したメルセデスG社の社長Dr.エメリッヒ・シラーは「電動化によって誕生する未来のGクラスは私たちが目指す本当のGクラスになる!」と自信満々に語った。 見た目はGクラスそのもの我々の前に登場したGクラスのEVバージョン(「EQG」は仮称)は、カムフラージュは施されてはいるが丸形ヘッドライト、フェンダーの上に乗っているウィンカー、そして何よりもスペアタイヤを背負った角型2ボックスボディなど、どこから見てもGクラスであることは間違いない。 スペックや詳細は明らかにされないが、ベースとなっているのは現行Gクラス(W463)でフロントにダブルウィッシュボーン、リアはドディオンアクスルと変化の無いサスペンションに22インチタイヤが装着されている。 >>メルセデス・ベンツ Gクラスのカタログ情報をチェックする バッテリーはラダーフレームの間に耐水、耐振、耐破損の強固なガードで包まれて搭載されている。容量は明らかにされていないが想像するに「EQS SUV」に搭載のパワートレーンを考えれば107.8kWh 程度になるだろう。 航続距離は最低でも500km程度が目標と思われ、同時に10%→80%までのチャージであれば30分程度で済む350kWの充電能力が与えられるに違いない。 4モーターで各輪を別個に制御する究極の4WDに!そしてパワートレーンは各車輪にフランジされた4基のモーターによるが、インホイール形式ではない。2基でなく4基のモーターを採用した主な理由は制御をメカニカルに頼らず全てを電気で行うことができるためと説明された。 つまりデフロックやトルクベクトリングなどが電気で瞬時に、効率よく制御することが可能になる。それどころか車輪を反対方向に回してその場で方向転換、いや戦車のように360度回転させることも可能になる。 >>メルセデス・ベンツ Gクラスのカタログ情報をチェックする モーターの大トルクと緻密な制御、価格は2000万円超え走り出すとこれまでのEVでは経験しなかったような格段に高いトルクで3トンに届くかも知れないボディは機敏にスタートする。しかしミューの低いラフロードでは瞬時にトルクを制御して確かなトラクションが確保される。これは急な登坂や下りでも同様でスリップは皆無、まさにミリセカンド単位による制御でスムースな運転が可能だった。 おそらく最低でも15万ユーロ(約2180万円)と予想されるEQG(仮称)はまだ電池容量や航続距離などの詳細は発表されていない。おそらく全ての面でICE搭載モデルよりは格段に優れている、それは車両のオン&オフのダイナミック性能だけでなく、この種のクルマで批判されてきた環境性能でもゼロエミッションを達成している事である。 >>メルセデス・ベンツ Gクラスのカタログ情報をチェックする |
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