4ドアクーペのフルライン化がコンプリートクーペとはもともとフランス語で「切られた」という意味で、4ドアセダンを短くした2ドアモデルの事だった。しかし2004年に背の低い4ドアセダンを「4ドアクーペ」と表現して大成功した「メルセデス・ベンツ CLS」に端を発したこのセグメントは、「ポルシェ パナメーラ」「アウディ A7」「アストンマーティン ラピード」と続き、SUVと並んで近年に誕生した新しいクルマのカテゴリーとして認知されたようだ。 BMWもこの流れに乗って2012年に「6シリーズ グラン クーペ」を発売して2018年までに7万台近くを販売した。2014年には「4シリーズ」にもこのバリエーションを追加、昨年までに30万台を超えるヒット作となった。また昨年からは「8シリーズ」にもグランクーペが加わり、このボディカテゴリーでフルラインアップを形成する勢いだ。 それを証明するのが今回、新たにラインアップされた「2シリーズ グランクーペ」である。ベースになっているのはもちろん「1シリーズ」で、アーキテクチャーはコンパクトFWDモデルをカバーする「UKL2」だ。 BMWとしては久々の完全なニューモデルの試乗会は期待外れの曇り空が広がるリスボン郊外で行われた。試乗したのはトップモデルの「M235i xDrive」で、全長4540(4355)×全幅1800(1800)×全高1430(1465)mm、ホイールベースは2670(2670)mm、空車重量は1645kg(※EU)である。すなわち()内の1シリーハッチバックよりも約200mm短く、約30mm低く、ホイールベースは同一である。またトランク容量も430Lとボディが長い分だけハッチバックよりは50L大きい。 ハッチバックの1シリーズより今の時代に合っている乗降性が良いフレームレスのドアを開けるとコクピットは最新のインフォテインメント、フルデジタル仕様のオペレーティングシステム7.0で音声操作も可能だ。 搭載されるエンジンはM135iと同じ2Lターボで最高出力306ps(225kW)、最大トルク450Nmを発生する。組み合わされるトランスミッションは8速ATで、最高速度は250km/h、0-100km/hは4.9秒と発表されている。 1750rpmですでに450Nmを発生するエンジンは8速ATとの相性も良く、速い流れのポルトガルのオートルートをリードしながら走り抜けることができた。 やや快適性重視のシャシーセッティングながら、ステアリングに反応する挙動はクイックでスポーティな印象だ。おそらく10mm低められた重心によるものだろう。さらにシート前方を7mm持ち上げた微妙なセッティングが前方視線を改善している。 エレガントなスタイルからはちょっと想像できないが峠道で果敢に攻めることも可能で、そんなシーンではトルセンデフロックが安定したトラクションを約束してくれる。 このグランクーペのターゲット層は脱ハッチバック派、すなわち実用性よりもライフスタイル重視の30~40代の男性というが、今回試乗した印象では少なくともスタイル、そしてダイナミック性能はこの狙いに合っていると感じた。というのは後日、ハッチバックの1シリーズに乗ってみると、本来は実用性の高い5ドアなのだがなんだかずんぐりしており、時代の流れを感じてしまったのだ。 2シリーズグランクーペにはこのM235i xDriveの他に1.5L 3気筒エンジンを搭載した「218i グラン クーペ」、欧州では2L 4気筒ディーゼルを搭載した「220d グラン クーペ」も用意されている。 日本でもBMWジャパンが先行予約を始めており価格は665万円で、早ければ3月中旬にはディーラーに車が並ぶだろう。 ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。 スペック【 M235i xDrive 】 |
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