選考委員は今年どんな10ベストカーを選ぶのか今年もこの季節がやってきた。12月5日に日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下日本COTY)24-25の最終選考会が開かれ、“今年のクルマ”が決まる。 ワタクシ自動車チャンネルソルトンTVのシオミサトシも選考委員の末席を汚しているのだが、毎年この時期は頭を悩ませる。 そろそろ実行委員会からノミネート車のリストが届くはずだが、その前に取材メモを見ながら考えておきたい。 どうせなら今季の10ベストカーを予想してしまおう。私個人の10ベストカー投票内容を今ここで明かすと怒られてしまうので、あくまで選考委員全体が選んだ結果の予想をしてみたい。 投資用語でいうところの「美人投票」だ。私が美人と考える10人ではなく、選考委員の総体が美人と考える10人を予想するのだ。 (次のページは第1回COTYの大賞はどんなクルマ?) 【レクサス LBX】【トヨタ クラウンスポーツ】#COTY #カー・オブ・ザ・イヤー #10ベストカー #予想 #NO.1第1回イヤーカーはファミリア。最新の選考基準は?日本COTYは、日本のモータリゼーションの発展と消費者への最新モデルおよび最新技術の周知を目的として、1980年に創設された。 第1回(1980-81)のイヤーカーはトヨタでもニッサンでもホンダでもなく、マツダの「ファミリア 3ドアハッチバック」だ。ユーザーがこぞってシートにTシャツを着せ、ダッシュボードにヤシの木のオブジェを置いた陸サーファー御用達のFFファミリアだ。 第2回以降の受賞車は日本COTYの公式サイトを参照されたし。 その年の10ベストカーも載っているので、どの世代のクルマ好きも懐かしさ全開で時間を忘れて読み込んでしまうはず。 前年の11月1日から当年の10月31日までに日本国内において発表された乗用車が対象。ただし今季から個人利用可能な商用車も含むようになった。当年の12月下旬までに消費者が日本国内で購入できるモデルでなければならない。 わかりやすく言えばその期間に発売された新型車、あるいはフルモデルチェンジしたクルマが対象なのだが、近頃はフルモデルチェンジとマイナーチェンジの境が曖昧なクルマもある。 規約には「新しいコンセプトに基づいて作られたクルマであること」「本質的に新しい機構を採用していること」「新しいボディ、あるいは新しいエンジン、ドライブトレイン、サスペンション機構等を採用していること」などと細かく決まっている。 選考方法は細かく変更を繰り返してきたが、現在のルールはこうだ。選考委員はまず数十のノミネート車の中から優れた10台(10ベストカー)を選んで投票する(第一次選考)。 そして選ばれた10ベストカーに対し、ひとり16点の持ち点を3車に配点する。最も高く評価するクルマに対し必ず10点を与える。10点を与えるクルマは1車。2位と評価するクルマに対し4点、3位と評価するクルマに対し2点を与える。 (次のページは今年選ばれそうな10ベストカー予想!) 【ホンダ フリード】【マツダ CX-80】優れていても高価格車が選ばれることは少ない早く予想しろという声が聞こえた気がしたので一気に挙げよう。 ・レクサス LBX あくまで予想なので違っても知らない(←言い方)。国産車6、輸入車4という割合は例年通り。示し合わせたわけではないが、例年だいたいこういう割合に落ち着く。 どの市場のCOTYも1モデルのみを選ぶルールだと、優れていても高価格車が選ばれることは少なく、多くの人の関心が高いモデルから選ばれることが多い。極端に言えばロールスロイスやフェラーリのニューモデルは必ず素晴らしいが、選ばれたことはない。 同じ理由でことし登場した「トヨタ センチュリー」も入らないはず(高価格車が10ベスト入りしないわけではなく、最近では「レンジローバー」や「シボレー コルベット」が入っていたりもするが)。 昔は一定数以上の販売実績がないと対象にならなかったという理由もあるのだが。そういう意味で、高価格モデルが多いレクサスも日本COTYとは縁遠かった。が、「LBX」はプレミアムコンパクトカーという、幅広い層のユーザーの関心が高いモデルとして登場した。そのありそうでなかったコンセプトを選考委員は評価するはずだ。 (次のページでクラウン、フリード、トライトンの選考理由を考える) 【三菱 トライトン】【スズキ フロンクス】個人利用可能な商用車も今年からCOTYの対象に「クラウンスポーツ」もクラウンなのにあのカタチのSUV!? というインパクトが新しいし、市場の注目を集めた。 「フリード」はコンパクトミニバンという非常に幅広い層が注目するクルマであり、ついにe:HEVという優れたハイブリッドシステムが採用されたのが大きい。ちなみにホンダは今季、「ヴェゼル」、「オデッセイ」、「シビックRS」と出来のよいモデルを連続投入したが、いずれもマイナーチェンジなので対象にはならない。 あと「アコード」の刷新も素晴らしく、個人的にはフリード以上に感心したが、セダンということで世間の注目度があまりにく低いので、10ベスト入りは難しいだろう。選考委員は世間の風潮に迎合することはない(ように気をつける)が、決して無視するわけでもない。自らも消費者なので。 「CX-80」は、2年前に登場した同じプラットフォームを用いる「CX-60」同様、毀誉褒貶相半ばするモデルだが、新エンジンでしかも直6、新プラットフォームでしかもエンジン縦置き、そしてPHEVも設定するというマツダのビッグチャレンジを評価する選考委員も少なくない(書き方むずっ)。 「三菱 トライトン」は、歴代モデルが海外で“はたらくクルマ”として広く認知されたモデルだが、日本では12年ぶりの販売となった。三菱がわざわざタイから輸入して販売する理由は、この新型がワイルドな趣味グルマとして日本の消費者にも満足してもらえるという自信があったからだろう。 同時に、あくまで想像だが、来たるべき「パジェロ」復活の地ならしとしての役割を担わせようとしているのではないか。そして選考委員も消費者同様にそういう気運の高まりを感じ、それがトライトンへの評価となるような気がする。 トライトンは1ナンバーの商用車だ。冒頭、これまで対象は乗用車のみだったが、今季から個人利用可能な商用車も含むようになったと書いた。それはこのトライトン(とホンダ N-VAN e:)を日本COTYというお祭りに参加するにふさわしいという実行委員会の判断だ。 (次のページでフロンクスの選考理由と輸入車についても解説) 【ミニ クーパー】【ボルボ EX30】大穴はフロンクス!? 輸入車はBEVが秀作揃いフロンクスについてはあまり説明はいらないのではないか。いつものスズキらしく高い経済性を備えたうえで、カッコよく使い勝手もよいというスズキらしさ全開のクーペSUVだ。10月16日に発売されたばかりで、インパクトの鮮度が高いという幸運さもあるはず。 輸入車(外国メーカー車)は意識したわけではないが、予想してみたらすべて電気自動車(ミニには内燃機関車もあり)だった。 相変わらず輸入車は国産車よりもクセ強(つよ)なモデルが多く、各選考委員の好みが反映される割合が大きいように思われ、国産車よりも予想が難しい。もしかすると「メルセデス・ベンツ CLE」あたりが食い込んでくるかもしれない。 10ベストカーが選出されるのは11月6日。クルマ好きの皆さんも自動車雑誌やウェブサイトを読み返し、「私だったらこれらを選ぶ」という10台をぜひコメントしてほしい。 (終わり) 【ヒョンデ アイオニック5】【BYD シール】<写真:トヨタ、レクサス、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、ボルボ、BYD、ヒョンデ、BMWミニ> |
GMT+9, 2025-6-21 05:59 , Processed in 0.052437 second(s), 18 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .