ベンツS400ハイブリッド車について質問です。ハイブリッドバッテリー
ベンツS400 ハイブリッド車について質問です。ハイブリッドバッテリーの不具合で先日バッテリーを交換しました。
エンジンもかかり、走りは問題ないのですが、こちらのバッテリーを交換する際、エアコンのガスを抜かないと交換できません。
交換後、エアコンのガスチャージを通常の方法(エアコンラインの真空引き後、高圧側からガスチャージ、その後低圧側へガスチャージ、エンジン始動で低圧側から、ガスを引っぱってもらう)で行ったところ、コンプレッサーがオンになってないのか?ガスが入って行きません。
何か、特別な方法があるのでしょうか?
ベンツのハイブリッド車に詳しい方、ご教授願います。
よろしくお願いします。 ベンツS400ハイブリッドのエアコンコンプレッサーは「高電圧・電動タイプ(HV ACコンプレッサー)」で、通常の車両とは作動条件や安全制御が異なります。
そのため、ただエンジンをかけただけではコンプレッサーが動作せず、ガスを吸い込まないという現象がよく起きます。
●原因
HVエアコンコンプレッサーは「高電圧バッテリー駆動」
エンジンとは無関係に作動(EV走行中も冷房可)。
通常の「ベルト駆動式」ではないので、エンジン始動=コンプレッサーONではありません。
コンプレッサーの作動には「ハイブリッドシステムがONで、冷房要求がある状態」が必要
暖かい環境下でA/CスイッチON、冷却必要な状態でないと作動しない。
バッテリー保護のため、冷媒圧力が低すぎる場合はコンプレッサーが自動的にロックアウト(作動拒否)される。
●ガスチャージにおける問題
電動コンプレッサーは自力でガスを「吸う」力が弱いため、最初のチャージで十分なガス圧が必要。
真空引き→チャージでも圧力不足だと「作動せず→ガスを吸えない→冷えない→悪循環」になります。
●対処方法(ハイブリッドHV車用ガスチャージのコツ)
手順
1.真空引きをしっかり行う(10~15分、最低-0.09MPa程度)
2.最初のチャージで最低300g以上の冷媒を高圧側から入れる(できれば規定量の50%以上)
3.イグニッションON + A/C ON + 内気循環 + 最低温設定 + 風量最大(冷房を「要求する」状態)
4.ハイブリッドシステムをREADY状態にする(メーターに「READY」表示)
5.コンプレッサーが回り始めたのを確認し、低圧側から残量をチャージ
※注意点:冷媒は絶縁型専用(POEオイル)
ハイブリッドの電動コンプレッサーは「絶縁型のエアコンオイル(POE)」を使用。
間違って通常のPAGオイル入り冷媒(整備工場の一般機材)を使うと、HVコンプレッサーが絶縁不良で故障するリスクがあります。
整備マニュアル記載の規定冷媒とオイルを必ず確認。
●補足:診断機(Xentry等)でコンプレッサー強制ONが可能
正規ディーラーや一部整備工場が使う Xentryなどの診断機を使えば、コンプレッサーを「強制ON」状態にして冷媒を吸わせることが可能。
自前で難しい場合は、一時的にディーラーまたはHV対応工場に持ち込むのも手です。
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