経産省が発表。2025年度からCEV補助金制度が変わる2025年度からCEV補助金の対象範囲が変わります。 CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)とは、電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などのクリーンエネルギー車の普及を促進するための国の補助金制度です。 2025年1月27日、経済産業省が2025年度のCEV補助金の概要が決定したことが発表されました。 現行のCEV補助金の概要に加え、「グリーン鉄」を採用したクリーンエネルギー車に対して、基本の補助額とは別で最大5万円の補助金が加算される措置が新たに導入されました。 この新たな仕組みは、2025年度の新規登録車から適用される予定です。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| CO2の排出量を抑えられるグリーン鉄はコストが問題グリーンスチールもしくは低炭素鋼などとも呼ばれる「グリーン鉄」は、製造過程で二酸化炭素(CO2)の排出を抑えた環境負荷の少ない鉄鋼を指します。 名称で差別化されても、組成や品質は通常の鉄鋼と変わることはありません。ただしグリーン鉄には、水素を活用した製鉄技術やリサイクル材の使用などにより精錬コストが高くつく欠点があります。 クルマ1台の製造に必要となる鋼材の量は約1.5トンとされ、構成する素材のなかでもっともCO2排出量比重が大きくなります。 試算によると、それらをすべてグリーン鉄に置き換えるとCO2をおおよそ3割削減できますが、クルマ1台につき生産コストは約3万円上昇するとのことです。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら 国内では日産を筆頭に各メーカーがグリーン鉄を採用しはじめていますが、コスト増の影響から完全に置き換わるまでには至っていません。 今回の補助金制度の見直しは、グリーン鉄の採用によるコスト増を補助金の上乗せというかたちで消費者の負担を吸収するとともに、自動車メーカーによるグリーン鉄の採用拡大を後押しする狙いがあります。 |あわせて読みたい| 2025年度のCEV補助金上限額に変更なし2025年度のCEV補助金の概要決定にともない、補助金上限額についても発表がありました。 今季の補助金上限額に変更はなく、2024年度同様に電気自動車(BEV)最大85万円、軽BEV最大55万円、プラグインハイブリッド車(PHEV)最大55万円 、燃料電池車(FCV)最大255万円の金額が適用される予定です。 この上限額とは別に、グリーン鉄を採用した車両については前述した最大5万円の補助が加算されます。 またCEV補助金とは別に、各地方自治体が設けている独自のEV補助金制度等も引き続き併用することができます。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら ただし、車両ごとのCEV補助金額は、車種やグレードごとの評価点に基づいて決定され、車両価格に比例するものではありません。 なお、補助金は車両価格からの値引きではなく、車両購入後約1ヵ月以内に申請書類を提出して、受理されてからキャッシュバックを受ける仕組みとなっています。 年度予算の消化状況によっては、受付期間が短縮されるなどして補助金が受け取れない場合があることも知っておく必要があります。 |あわせて読みたい| 走行時のエコから製造時も含めたエコへ2025年度からは、CEV補助金の評価項目に新たな評価基準が追加されます。 これまでは「電費・航続距離などの車両性能」や「外部給電機能の有無」などが評価の基軸でした。 今季は新たに「重要鉱物の安定確保に関するリスク低減の取り組み」「調達先に対する費用の支払い期間の適正化」「車両や蓄電池の火災発生状況の評価」の3点が評価基準に組み込まれることになります。 つまり、「走行時のエコ性能」を重視してきたこれまでの評価基準から、今後はグリーン鉄採用車のように「製造時のエコ性能や安全性」にも重点が置かれる方針に変わるようです。 クリーンエネルギー車の普及が進めば、当然のように補助金の対象範囲も縮小傾向へ向かいます。 CEV補助金の評価基準は導入当初よりも確実に厳しくなっていますが、補助金制度自体は当面継続されることが見込まれます。 経済産業省は、2025年3月中旬以降に正式な補助額を決定して公表する予定です。新制度は2025年4月1日以降に新規登録された車両が対象となります。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら (終わり) <写真:アフロ、トヨタ> |あわせて読みたい| |
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