海外向けハイエースが日本で販売される可能性海外向けに展開されている新型ハイエースが、ジャパンモビリティショーに参考出品された。新型ハイエースが展示されていたのは、トヨタのグループ会社であるトヨタ車体のブース。 <写真:ハイエース参考出品> トヨタ車体はハイエースやランドクルーザー、ヴェルファイア、ノア/ヴォクシーなど箱型の乗用車/商用車を得意とする、1945年創業の老舗完成車メーカーだ。 次期ハイエースについては、様々な噂や憶測が飛び交っており、目下の関心は2019年2月に海外向けとして発表された新型ハイエースが、日本国内で次期ハイエースとして発売されるか否かだろう。 この点について、2019年時点ではあくまで海外向けとして発表され、国内向けには現行の200系ハイエースが継続販売され現在に至っているが、メーカーとしては、できれば国内向けも新型に切り替えたいというのが本音だろう。 その理由は、現在トヨタ車体(岐阜車体工業)の工場では、現行ハイエースと新型ハイエースのふたつの生産を並行して行なっている。これだと2車種作っているとの同じことなので、効率化を考えれば1本化したいのは当然だ。 <写真:現行ハイエース> >>ハイエースってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら 問題は全幅1950mmをどう捉えるかではなぜ、国内では現行ハイエース(200系)が継続販売されているのか。その最大の理由は、新型ハイエースが大型化され、日本の“働くクルマ”としてのニーズとの乖離が起こったため。 大型化の理由は、安全性の観点からエンジンをフロントに搭載するキャブオーバー式へと改めたことと、ハイエースはグローバルモデルゆえ海外ニーズにも応える必要があり、サイズアップを余儀なくされたというわけだ。 結果、新型ハイエースは道幅や駐車環境が狭い日本では大き過ぎるという懸念から、いまだに従来型が継続販売されているのだ。 実際のところ新型ハイエースの豪華乗用車版にあたる「グランエース」(全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mm/6人乗りと8人乗りを設定)の国内販売は低迷している。 <写真:グランエース> 豪華ミニバンが大好きな日本で、642万1000円~672万1000円程度の価格(安くはないが、ヴェルファイアやアルファードではもっと高いグレードが売れている)で売れていないのは、サイズがネックになっているためと考えられる。 <写真:アルファード> <写真:ヴェルファイア> ここで改めて、新型ハイエースのボディサイズを見ると、全長5280mm×全幅1950mm×全高1990mm。グランエースに比べると、全長が20mm短く、全幅も20mm小さい。近いサイズであるが、グランエースより若干小型化した理由を説明員に質問したところ、バンパーなどが簡素化されているためだという。 >>グランエースってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら 日本での展開はエンジン車の可能性が高そうちなみにジャパンモビリティショーのトヨタ車体ブースでは、新型ハイエース(グローバル ハイエース BEVコンセプト)は電気自動車として出展されているが、これはパワートレインのひとつの提案であり、次期ハイエースがEVになる、と考えるのは早計だ。 説明員も、「日本での展開は未定」としつつ、「海外ではエンジン車(3.5リッターガソリンならびに2.8リッターディーゼル)の設定もあり、「出そうと思えば国内展開も可能」と教えてくれた。 >>アルファードってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら 新型ハイエースと現行グランエースの違いなお、今回のグローバル ハイエース BEVコンセプトは、よく見るとパワートレイン以外にもグランエースとの違いがあった。 ひとつはリアドア。グランエースが跳ね上げ式を採用しているのに対し、グローバル ハイエース BEVコンセプトは、観音開きを採用していること。 <写真:跳ね上げ式> <写真:観音開き> これはビジネスユースで、たとえばリフトから荷物を積む際に、跳ね上げ式ドアでは干渉してしまうなどの問題が起こるため、180度まで開く観音開きを採用したのだという。 >>ヴェルファイアってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら 商用仕様はリーフスプリングを採用またサスペンションにも違いがあった。グランエースはリアサスペンションがコイルスプリング式なのに対し、グローバル ハイエース BEVコンセプトはリーフスプリングを採用している。 現行ハイエースでもワゴンでは乗り心地に優れるコイルスプリング、バンではより高負荷に耐えられるリーフスプリングと使い分けをしているが、新型ハイエースも同様に用途に応じて設定を変えられるということだろう。 <写真:ハイエース海外仕様> このように新型ハイエースとグランエースを比べてみると、パワートレイン、サスペンション、リアドア、そして内部レイアウトなどが異なり、ベース車は様々なバリエーションに対応できるように設計されていることが見て取れる。 グランエースは、人を快適に運ぶことに特化したモデルであり、ハイエース本来の多用途性、積載性は、グランエースよりむしろ新型ハイエースで発揮されることになるだろう。 >>ノアってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら ハイエース伝統のタフさは新型でも継承気になる“タフさ”について説明員に質問したところ、「ハイエースが代々受け継いできたレガシーは大切にしなければいけないと思って設計しています」と答えてくれた。 <写真:ハイエース参考出品> こうしてじっくり見てみると、なかなか魅力的に思える新型ハイエース。ボディサイズについては如何ともし難いところだが、回転半径は5.6m(グランエース)で「実はノアやヴォクシーと変わらない」とのこと。 狭い道のすれ違いなどに影響する全幅(1950mm)については、全高ハイエースワイドに比べて70mmほど拡大しているが、たとえば日本で人気のSUVであるBMW X5(全幅2005mm)などに比べると、だいぶマシだったりする。 <写真:BMW X5> もちろん、5ナンバーサイズの現行バンに比べると、新型ハイエースは大幅にサイズアップしていることは間違いなく、ユーザーを選ぶことにはなるだろう。一方で、サイズが若干大きくても構わないというユーザーにとっては、新型ハイエースはなかなか魅力的な存在に映るはずだ。 >>ヴォクシーってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら <終わり> 写真:トヨタ 終わり> |
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