とにかくガソリンがお高えです…(泣)レギュラーガソリンの店頭現金小売価格が183.7円/Lと、前週から1.8円/L値上がった。これで14週連続の値上がりだ(出典/2023年8月23日現在、資源エネルギー庁)。 ハイオクガソリンともなれば10円/L程度、上乗せされる。軽油にしても163.1円/Lと前週比1.7円/Lの値上げで、こちらも14週連続だ。 しかし、誰もが出費を抑えたい。では、移動コストを1円でも安価にするにはどうすべきか。 >>「ガソリン高騰で国民は怒っている記事」を読む 国や地方自治体ではこれまで燃費数値を良くする方法をたくさん報じてきた。このうち国土交通省を始め各省庁では「エコドライブ10のすすめ」として次の10項目を挙げている。 1)マイカーの燃費数値を把握。 運転操作に直結する1~4のうち、とくに重要なのは1。実践した項目の効果を数値でわかりやすく理解できるからだ。 一方で2に関しては状況次第だろうと筆者は考える。 ふんわりアクセル「eスタート」とは、発進から5秒間で20km/h(加速度にして0.1G程度)を目安にするという運転方法。 たしかに丁寧なアクセル操作は燃費数値を向上させるし、同乗者の快適性能も高めるけれど、混合交通下の公道では独りよがりになる場合も……。 >>「ガソリン高騰で国民は怒っている記事」を読む ハイブリッドの燃費がさらに向上する3つのテクニックそうならないために、周辺の交通状況に合わせた運転方法を提案したい。 具体的に流れの速い夜間の国道などでは、概ね発進から2秒ほど(10km/hを超える程度)までは“ふんわりアクセル”でも、そこからは少し踏み込み巡航速度(たとえば規制速度)までリズム良く加速させる。たったこれだけ。 では、もともと燃費数値に優れるハイブリッドモデルの場合はどうか。 いわゆるマイルドハイブリッドシステムではない、フルハイブリッドシステム搭載車(「プリウス」や「ノート」や「フィット」など)では次の3項目の実践をおすすめしたい。 >>プリウスの燃費を見てみる A)発進時、電動モーターの力を最大限使うため、必要以上にアクセルを踏み込まない。タイヤの転がり具合を意識する感覚だ。具体的には、いわゆるパワーメーターで「ECO」の領域、もしくは「EV」と緑色マークが表示されるエンジン停止領域だけで燃料消費量が増える発進時をやり過ごす。ちなみにシリーズハイブリッド方式の日産「e-POWER」やホンダ「e:HEV」でも、急加速を行うと発電量を増加させるためエンジンが早めに始動する。 B)クルマが動き出し、望んだ加速度が得られたらほんの少しペダルを緩める。そして希望車速に近づいたら失速しない程度にさらに緩める。電動モーターの走行はシステムによって上限速度が異なり、駆動用バッテリーの充電状態にも左右されるが、多くのハイブリッドモデルはペダルを“ほんの少し緩める”ことで伸ばすことができる。また、シリーズハイブリッド方式でもペダルを緩めることで電動モーターへの通電量が減り、次のエンジン発電までに距離が稼げる。 C)減速は“じんわりブレーキ”で回生ブレーキ領域を目一杯使う。操作は簡単。パワーメーターの回生領域が多くなるようにじんわり踏み込み、最大値を保つよう一定のブレーキ操作で減速する。前述の3と4を組み合わせると効果的だ。ブレーキペダルの踏み込み速度が速い(強い)と油圧ブレーキが優先され、せっかく「電力」として回生できる運動エネルギーが「熱」に変わってしまう。1ジュールも無駄にしないため常に“じんわりブレーキ”を徹底したい。一方で、もちろん最大限優先するべきは安全。危険を感じた際に、燃費を優先して急ブレーキを踏むのが遅れた、などという事態には至らないよう心がけたい。 1997年の初代プリウス発売以降、各国の各メーカーがハイブリッドモデルを販売するなか、この3点は多くの技術者たちが結果を出す定石として口をそろえる事柄だ。 >>プリウスの燃費を見てみる 何年ハイブリッドに乗れば純ガソリン車との差額は埋まるのか?また、昨今のシステムはどれも優秀でペダルの分解能力にしてもかなり高い。それこそドライバーが日常走行で多用するペダル開度30%あたりまではミリ単位のアクセル/ブレーキペダル操作をちゃんと理解して走行性能に活かしてくれる。 >>プリウスの燃費を見てみる たとえばトヨタ「ヤリス」の場合、1.5Lガソリンモデル「Z」グレードがカタログに記載するWLTC値は21.6km/h。対して1.5Lハイブリッドモデル「Z」は35.4km/Lと約164%も良好だ(共にレギュラーガソリン仕様)。 もっとも実際の交通環境では燃費数値の差はカタログ値よりも縮まる。 筆者が以前行った150km程度の比較走行で得られた実測値は、ヤリスハイブリッドモデルの32.8km/Lに対して、ガソリンモデルが22.1km/L。その差は縮まったが、依然として約148%ハイブリッドモデルが優れていた。 一方、比較したヤリス(同一グレード)の場合、車両価格はハイブリッドモデルが34万2000円高い。 >>ヤリスの燃費を見てみる 大雑把に執筆時点でのガソリン価格(183.7円/L)と、筆者の実測値(148%)を組み合わせて計算すると1km走るごとにハイブリッドモデルが約2.7円安価に移動できる。だから、およそ12万6666km以上走れば2モデルの価格差が吸収できる。 たしかに計算上はそうなるが、日本の乗用車1台が年間に走行する距離の平均値はおよそ10,000km(出典/2019年国土交通省。コロナ禍で減少傾向)。 よって、11年以上乗り続ける必要があるし、平均車齢にしても8.84年(出典/2022年自動車検査登録情報協会)だから、燃費数値だけで差額はなかなか埋まらない。 考え方はいろいろあるが…もっともハイブリッドモデルは走行性能も同時に高められるし、軽量なヤリスハイブリッドではスポーツカー並の加速を披露するから、単純に燃費うんぬんだけで語れない。ここもクルマ選びの醍醐味だろう。 >>ヤリスの燃費を見てみる そこで考え方を変えてみる。予算内から程度の良い中古車のハイブリッドモデルを選択するのも賢い手。イニシャルコストは予算内のままに、すぐにランニングコストが下げられるからだ。 さらに、1人の移動で目的地までたどり着けるなら公共交通機関でリーズナブルに、複数で時間に制約があるのならマイカーで移動するなど、乗り物を使い分けることでも移動コストは大きく抑えられる。個人的には状況が許す限り、たとえ時間が掛かっても移動の時間が楽しめる手段を選択しています。 写真/トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、アフロ |
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