円安が進めばレギュラーがリッター200円を超える可能性も世界的なインフレ、ロシアのウクライナ侵攻などよって原油価格が高止まりしています。また、日本固有の問題として円安もあり、ガソリン価格をさらに押し上げています。 こうした状況では、地方などでは必須の移動手段であるクルマが高コストになってしまいます。その対策として日本政府は通称「ガソリン補助金」を元売り各社に支給してきました。 このおかげでレギュラーガソリンの価格はリッター当たり160円台に留まっています。補助金がなかったら最高値では200円を大きく超えていたことを思うと、ドライバーにとってはありがたい補助金だったといえます。 “だった”と過去形にしたのは、このガソリン補助金が2023年6月より段階的に縮小、9月には終了するという方針が発表されているからです。このまま円安が進めば、レギュラーガソリンがリッター220円などという時代がやってくるかもしれません。 プリウスとマツダ3で燃費を比較いずれにしても燃料代を抑えることはドライバーの自己防衛手段となります。そこで、もし新車を買うならどんなパワートレインを選ぶといいのかを考えてみましょう。 日本で買える新車として考えうるパワートレインの選択肢は、バッテリーEVを除くと、大きく4タイプに分類できそうです。 1:ガソリンエンジン(マイルドハイブリッド含む) ただ、これら4種類のパワートレインがすべて選べる市販モデルは日本では見当たりません。そのため同じモデル(車体)でパワートレインの違いによるランニングコストを比較するのは困難です。そこで、国産Cセグメントの代表的なモデルのカタログ燃費(WLTCモード)から、どのパワートレインがランニングコスト的に有利なのかを試算してみることにしましょう。 サンプルとしてチョイスしたのは、2.0Lガソリンエンジン(マイルドハイブリッド)と1.8Lディーゼルエンジンを積む「マツダ3」、2.0Lハイブリッドとプラグインハイブリッドを用意する「プリウス」です。 <写真:プリウス> <写真:マツダ3> >>プリウスってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら 燃料価格は、資源エネルギー庁の発表値(https://nenryo-gekihenkanwa.jp/pdf/result_rev66.pdf)を元に、補助金がなかった場合の末端価格を参考にしようと思います。 調査時点(6月上旬)の数値をみると補助金がない場合のレギュラーガソリンは182円/L、ディーゼル燃料(軽油)は162円/Lでした。 プラグインハイブリッドの場合は燃料代のほかに電気代もかかってきます。ご存知のように電気料金も上がっていますが、こちらは東京電力の従量電灯契約(https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/pdf/teiatsu_minaoshi_pdf3.pdf)の中間値である36.6円/kWhを参考にして試算します。 近距離メインはPHEV、長距離メインはハイブリッドが安いでは、サンプルに選んだ各モデルのWLTCモード燃費と車両価格を、車両価格の安い順に列記してみましょう。なお、今回は基本的にFWDモデルの数値を参考にします。 1位:マツダ3(ガソリンエンジン)|16.4km/L|259万3800円 それぞれ100kmを走行した場合のランニングコストは次のようになります。 1位:プリウス(プラグインハイブリッド)|518円(電気代427円+ガソリン代91円) 税制による違いもありますが、燃料と電気のランニングコストを比べると、どうしても電気が有利となるためプラグインハイブリッドは満充電で走行できる比率が高いほど有利になりがちです。 では、一気に500kmを走るという条件にするとどうなるでしょうか。1位:プリウス(ガソリンハイブリッド)|3180円 このようにガソリンハイブリッドのランニングコストがもっとも安いという計算結果になります。ランニングコストだけを考えると、近距離ユースがメインという方はプラグインハイブリッドが有利で、長距離を走ることが多いのであればガソリンハイブリッドを選ぶべき…となりそうですが、そうは問屋が卸しません。 車両の価格差は燃費の良さで取り返せないこともあるランニングコストだけに注目してしまうと車両価格を含めたユーザー負担の大きさが見えなくなってしまいます。今回の比較でいえば、プリウスのガソリンハイブリッドはマツダ3のディーゼルエンジンより33万1200円も高くなっています。 異なるモデルなので、単純比較をするのはナンセンスでもあるのですが、ガソリンハイブリッドのプリウスとディーゼルエンジンのマツダ3の燃料コスト差は、100kmあたり128円なので、単純に燃料代の違いで車両価格差を埋めるには、およそ26万kmを走る必要があるともいえます。 >>プリウスのグレードごとの価格やスペック情報はこちら 同じことをマツダ3のガソリンエンジンとディーゼルエンジンでも比較してみましょう。車両価格差は27万5000円で、100kmあたりの燃料コスト差は346円です。計算すると約8万kmを走ると車両価格差が埋まることになります。 平均的なユーザーでは8万kmを走るのに10年以上かかるかもしれませんが、ロングドライブ派であれば、数年でもとが取れると感じるかもしれません。 まとめると、ガソリン補助金が終了した後のランニングコストは、車両価格を無視して考えるとプラグインハイブリッドがもっとも有利となります。今回は燃料価格を軸にしたのでEVは試算していませんが、近距離ユースであればEVのほうがローコストで走行できると考えることもできます。 一方、長距離を走ることの多いユーザーが車両価格も含めて考えると、ディーゼルエンジンを選ぶことがもっともランニングコストを抑えられるケースも出てきます。 いずれにしても、答えはひとつではありません。カタログスペックなどを参考に、自分自身の使い方においてパワートレインごとのランニングコストと車両価格の関係を試算してみることが大切です。 >>プリウスの中古車情報はこちら 写真:トヨタ、マツダ |
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