斬新なスタイリングで欧州ミニバン界をリードしたエスパスフランス車好きなら、ルノー「エスパス」という名前に見覚えはあるのではないでしょうか。欧州車初のミニバンと呼ばれることもあるエスパスが誕生したのは1984年のこと。いわゆるワンモーションフォルムといえるスタイリングは斬新なもので、前後ヒンジドアながら7人乗り。回転対座のシートアレンジも可能な、まさにミニバンらしい使い方ができるクルマでした。 1991年にフルモデルチェンジした2代目エスパスはさらにワンモーションフォルムを強調。後席スライドドアではありませんが、日本車でいうと同時期の「トヨタ エスティマ」のようなフォルムのミニバンです。この2代目ではF1用エンジンを載せたスペシャルマシンをプロモーション用に開発、未だに「史上最速のミニバン」といったテーマで話題になることがあるほどです。 <上の写真:歴代エスパス、ページTOPは5代目エスパス> >>エスティマ(過去モデル)のカタログ情報をチェックする 次期エスパスは7シーターのSUVに大変身!現在は5代目まで進化しているエスパスですが、6代目で大変身することがティザーサイトで明らかになっています。 <上の写真:5代目エスパス> ティザーサイトによると、新型エスパスは7シーターSUV(5人乗りも設定)に変身。SUV化に合わせて全長を4.72m(従来は4.86m)へ短くするなど、取り回しの良さも考慮した多人数乗車モデルになるようです。欧州ミニバンの元祖としてブランディングをしてきたエスパスも、SUVムーブメントは無視できないということでしょうか。 <上の写真:次期エスパスのティザー画像> すでに5代目から日産とのアライアンスを活かしたプラットフォームを採用しているエスパスですが、新型でもアライアンスの強みを活かした設計思想は強化されていると考えるのが妥当です。 ルノー日産三菱アライアンスにおいて、全長4.7mクラスの3列シート・クロスオーバーSUVといえば、「日産 エクストレイル」「三菱 アウトランダー」が浮かびます。いずれも最新世代のアーキテクチャを採用していますから、エスパスも同じプラットフォームを採用しているとみるべきでしょう。 >>エクストレイルのカタログ情報をチェックする <上の写真:日産 エクストレイル> <上の写真:三菱 アウトランダーPHEV> 筆者はこのプラットフォームを開発したエンジニアに話を聞いたこともあります。開発の主体は日産(厚木)で、設計段階では三菱のエンジニアが参加することもあり、またルノーのエンジニアとオンラインミーティングをするなど各社のニーズや理想を追求したということでした。 日本への正規導入は期待薄e-POWER(シリーズハイブリッド)を採用したエクストレイル、S-AWC思想の前後モーターをもつプラグインハイブリッドのアウトランダーのそれぞれに試乗するとわかるのですが、同じプラットフォームといっても走り味は各社各様に仕上げられています。ですからエスパスについてもルノー的であり、その名前や伝統にふさわしい走りになっていることでしょう。 そうなるとエスパスとも乗り比べてみたいと思ってしまうかもしれませんが、日本への正規導入は期待薄といえそうです。 実際、日産とプラットフォームを共用した5代目エスパスは左ハンドル圏向けのモデルという位置づけで、日本への正規導入はなされませんでした。とはいえ、エクストレイルやアウトランダー同様に、新型エスパスも電動化パワートレイン(ルノーでいうところのE-TECH)を採用するとなれば、日本でも一定のニーズはあるでしょう。 >>エクストレイルのカタログ情報をチェックする そのあたりルノーの日本法人はどう考えているのか不明ですが、アライアンス全体のことを考えると、同じような7シーターSUVを日本というシュリンクしている市場に投入するのはナンセンスに感じます。 はたしてアライアンスとしての効率を考えるのか、熟成した市場での多様性を重視するのか。先ごろ、持ち株比率などアライアンス関係を見直し、次のステップに進んだルノーと日産はどのような判断をするのでしょうか。 ルノーE-TECHについてはモータージャーナリストの評価は高くなっていますから、新型エスパスについても電動パワートレインの設定次第では日本市場からも、導入を求める声が大きくなりそうです。 >>アルカナのユーザーと専門家のレビューをチェックする |
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