ハコ車レースの国内最高峰「スーパーGT」が開幕！　“2クラス混走”や“サクセスウェイト”がスリリングなシーンを生みだす ...

2クラス混走が生みだす、予想のつかないレース展開

みなさん、こんにちは！　モータースポーツが大好きな自動車ライターの伊藤梓です。様々なレースカテゴリーで新しいシーズンを迎えていますが、いよいよ今週末の4月16日（土）～17（日）、ハコ車レースの国内最高峰である「スーパーGT」が岡山国際サーキットで開幕します！　今回は、日本でもっとも人気のあるスーパーGTの魅力を初心者にも分かりやすく解説していきたいと思います。

スーパーGTの「GT」はグランドツーリングカーの略で、つまりスーパーGTは「市販車をベースにしたレース」という意味合いがあります。ベース車両は、日産の新型フェアレディZやホンダNSX、トヨタGRスープラなど、各メーカーが販売している最上級のスポーツカー。自分の好きなメーカーや憧れのクルマが“レーシングカー”となり、ポテンシャルを最大限に追求しながら本気のバトルをしているというだけでワクワクするし、より感情移入して観戦できるのではないでしょうか。

そんなスーパーGTの最大の特徴は、パフォーマンスの違いによって「GT500」と「GT300」に分けられた2つのクラスが、レースで“混走”するところにあります。性能差がある車両を上手く避けながら走ったり、混雑を逆手にとって同クラスの車両をオーバーテイクしたり……、2クラス混走だからこそ予想のつかないレース展開が生まれ、ドライビングやチーム戦略にも個性や深みが出てくるのです。2022年シーズンのエントリーリストには、GT500クラスに15台、GT300クラスに28台の精鋭たちが並んでいます。

さらなる混戦を演出するハンディキャップ制度

スーパーGTが白熱する要素は、もちろん2クラス混走だけではありません。それが、「サクセスウェイト」と呼ばれるハンディキャップ制度。上位入賞によって獲得したポイントに応じて、次戦以降はマシンに重りを積載しなければならず、最大100kgまでのウェイトが課せられます。

「クルマに重りを載せたってそんなに変わらないでしょ」と思う方もいるかもしれませんが、市販車のスポーツカーでも、運動性能を高めるために1g単位でクルマを軽くしようと努力しているように、クルマにとって“重さ”はかなり重要。重量増によってエンジンに負荷をかけることになるし、加速やハンドリングにも影響が出ます。

さらに、GT500クラスでサクセスウェイトが50kgを超えたマシンには、「燃料流量リストリクター」も追加されます。簡単にいえば、燃料の流量を制限することで、エンジンパワーを低下させるというもの。これらのハンディキャップ制度によって、ぶっちぎりに強いチームをなくすことで、シーズン中にファンが飽きることがなく楽しめるようにしているのです。ちなみに最終戦では、サクセスウェイトが全て解除され、開幕戦以来の“ガチンコ”バトルが見られます！

これらのハンディキャップ制度によって、ファンはとても楽しむことができるわけですが、チームやドライバーは勝ち続けることが難しく、チャンピオン獲得への道はより険しくなります。だからこそ、数々のドラマが生まれるし、チャンピオン決定時には毎回大きな感動に包まれるのです。

国内トップドライバーや超有名人が集結！　新型フェアレディZも

スーパーGTは、魅力的なチームやドライバーが揃っているのも特徴です。ドライバーは、国内トップクラスがほぼ勢ぞろいしているといっても過言ではありません。世界からの注目度も高く、過去には元F1ドライバーのヘイキ・コバライネン選手やジェンソン・バトン選手も参戦。ちなみにバトン選手は、2018年シーズンにチャンピオンを獲得しています。

そして、チーム監督陣も豪華そのもの！　往年のレースで活躍した鈴木亜久里さんや、ユニークなキャラクターで愛されている脇阪寿一さん、ジャニーズとしても活躍された近藤真彦さん、野球ファンで知らない人はいない“大魔神”こと佐々木主浩さんといった超有名人が監督を務めています。

初めて見る方なら、彼らが率いるチームやパッと見てかっこいいと思ったマシン、好きなメーカーや車種から注目していくのがオススメ。特定のチームやメーカーに注目して見ていれば、そのチームの雰囲気やドライバーの人となりが分かってきて、どんどんハマっていくこと間違いなしです。

あえて、今シーズンの注目を挙げるとすれば、日産のマシンが新型フェアレディZになったことでしょうか。市販車の発売を前に、スーパーGTで初めて思いっきり走る姿が見られるというのも楽しみですよね！

ライブ配信は「J SPORTS」のモータースポーツパックなどから！

私自身の推しは、昨シーズンのGT300で悲願のチャンピオンを獲得した「スバルBRZ R＆D SPORT」です。これまでマシントラブルなどでずっと苦しい思いをしてきたBRZが、ようやくチャンピオンを獲得できた時は涙が止まりませんでした……。ドライバーである井口卓人選手と山内英輝選手は、普段は笑顔とユーモアに溢れている方々なのですが、レースになるとその表情は一変。自分をストイックに追い込んで勝利を掴みとろうとする姿勢に胸を打たれます。

長く応援していると、単純に勝った負けただけではなく、ドライバーの思いまで感じられるようになって、よりレースに感情移入できるようになっていきます。そして、応援を続けた先に、いつかチームやドライバーと一緒に歓喜できる日がやって来る。それを体験できるのがスーパーGTです。ぜひ好きなチームやドライバーを見つけて、長く長く応援してみてくださいね！

そして、肝心の視聴方法ですが、ライブ観戦するならCS放送の「J SPORTS」もしくはインターネット配信の「J SPORTS オンデマンド」から。YouTubeの公式チャンネルでは、レースの数週間後にハイライト動画が公開される予定です。公式チャンネルでは、昨シーズンのハイライトや、今年3月に岡山や富士で実施されたテストセッションなどが既に公開されているので、まずはこちらをチェックしてみてください！

「J SPORTS（CS放送）」
・月額2,944円
・全レース・予選／決勝ライブ放送
※モータースポーツのほか、野球、ラグビー、サッカー、フィギュアスケートなどを多彩なラインナップを放送

「J SPORTS オンデマンド（Web）」
・モータースポーツパック：月額1,980円（U25割：月額990円）
・全レース・予選／決勝ライブ配信＆ダイジェスト配信
・オンデマンド限定で公式テストも視聴可
※WRC（世界ラリー選手権）やスーパーフォーミュラ、WEC（世界耐久選手権）など、あらゆるカテゴリーのモータースポーツが見放題

「スーパーGT 公式チャンネル（YouTube）」
・無料
・全レース・ハイライト（レースの数週間後に配信予定）

■スーパーGT2022・開催スケジュール
第1戦・岡山国際サーキット：4月16日（土）～17日（日）
第2戦：富士スピードウェイ：5月3日（火）～5月4日（水）
第3戦：鈴鹿サーキット：5月28日（土）～29日（日）
第4戦：富士スピードウェイ：8月6日（土）～7日（日）
第5戦：鈴鹿サーキット：8月27日（土）～28日（日）
第6戦：スポーツランドSUGO：9月17日（土）～18日（日）
第7戦：オートポリス：10月1日（土）～10月2日（日）
第8戦：モビリティリゾートもてぎ：11月5日（土）～6日（日）

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