ICEプラットフォームを使う最後のモデルメルセデス・ベンツがアッパークラスとして初めて世に出したモデルは1953年のW120だが、現在「Eクラス」と呼ばれるモデルの誕生は今から28年前の1995年に登場した「W124」であった。このシリーズはミリオンセラーと呼ばれるほど好評で、2016年には5世代目の現行Eクラス「W213」 が誕生して現在に至っている。 最近ではメルセデス・ベンツの電動化計画によってEクラスのBEVバージョンである「EQE」が登場しているが、もちろんICE(エンジン車)シリーズも健在で、今回フルモデルチェンジを受けた。ただしこのEクラスはICEプラットフォームに構築された最後のモデルとなる。 6世代目にあたる「Eクラス」(W214)はデザイン、内容共にまさにスモール「Sクラス」のようなレベルで登場した。 >>Eクラス(現行型)ってどんなクルマ? ユニークな星形ライトを採用したリアビューサイズは全長4.95×全幅1.88×全高1.47mとわずかに長く幅が広がったが、ホイールベースは2.96mで22mm延長されている。またトランク容量は旧モデルと変わらずエンジン車が540L、PHEVは370Lとなる。 ニューEクラスにはAMGライン、アバンギャルド、エクスクルーシブの3種類のラインが用意されており、まず、エクステリアデザインだが全体のシルエットはSクラスのように長いフロントから流れるようなラインをもった3ボックスリムジーンで、Cd値は0.23である。 フロントグリル(本物のラジエターグリル!)周辺はブラックパネルが貼られ、そこには伝統的なメッキバー仕上げあるいは、スリーポインテッドスターの2種類がはめ込まれ、照明付きのフレーム両脇には上下にデイドライビングライトをもつLEDヘッドライトがレイアウトされている。このヘッドライト内には上部に眉毛のような、そして下部には2灯式ライトの名残を思わせる2本のラインがレイアウトされている。 リアコンビネーションランプは全く新しいデザインで、ユニークな星形のライトが輝く。やや気になったのはドアミラーの位置で、相変わらず昔三角窓のあったAピラーの根元から生えている。この場所は僅かな面積ながら斜め前方の視界を若干ではあるが遮ると同時にドアマウントに比べると安易なソリューションに見え、デザインもスマートではない。 インテリアのハイライトはスーパースクリーンドアミラーはSクラスのようにタッチするとせり出すリトラクタブルタイプで、非常にしっかりしたグリップを引いてキャビンに入る。プレスキットではヘッドルームが5mm高く、肘部分が26mm広くなったと記載されているが、もちろん気が付くほどではない。 室内のハイライトはインフォテインメントシステムだ。Sクラスが採用する全幅約1.41mの「ハイパースクリーン」ではなく、「スーパースクリーン」と名付けられたEクラス用スクリーンは中央に標準の14.4インチ、その右側にはオプションの12.3インチのディスプレイが並んでいる。 当然ドライバー正面にも同じ12.3インチのコックピット画面が用意されている。また搭載されるOSは3世代目のMBUXで、より大きく見やすくなったアイコン、アップグレードされた音声認識機能などが特徴だ。ビデオ会議への参加も可能だが、走行中はもちろん音声だけの参加に限られる。 >>比べてみると…現行型Eクラス(16枚)の公式画像はこちら ガソリン、ディーゼル、2種のPHEVでスタート発売時に用意されるモデルは合計4機種。エンジンモデルは15から17kWへパワーアップされたスタータージェネレーターを搭載する48VのMHEVを搭載。 >>Eクラス(現行型)のグレードごとの価格やスペック情報はこちら 組み合わされるトランスミッションは全て9速オートマチックで、ハイパワーモデルには4マチック(4WD)も用意される。もちろんセダンの他にTモデル(ワゴン)、クーペ、カブリオレも計画されている。 6世代目のEクラスはデザイン上では好評だった先代の流れを汲んだキープコンセプトだったが、その内容、インテリアデザインやデジタル機能は確実にアップデートされていた。その結果、“ラストEクラス”として有終の美を飾るのに相応しい存在感と価値をもったモデルになることだろう。 ドイツ国内でのデリバリーは今年の秋からだが日本での発売時期や価格についてはこの原稿を書いている時点ではまだ発表されていない。 >>【新型登場で値落ちも!?】Eクラスの中古車情報はこちら |
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