M5シリーズの頂点、0-100km/h加速は3秒フラットに2020年BMW M社は14万4000台あまりを販売し、宿命のライバルであるメルセデスAMGに2万台近い差をつけて、再びプレミアムパフォーマンスブランドのトップに立った。そのM社のシンボルともいえるモデルが「コンペティション」と、その上位モデルの「CS(クラブスポーツ)」で、これまでに「M2」「M3」「M4」が登場、いずれも予想を超える受注が入っているといわれる。 そして今回、「M5」をベースにした「M5 CS」が登場した。レポーターはこの発表に先立って、ミュンヘン郊外のシークレットスタジオで接近遭遇を許可された。同行したのはM社でM5のプロダクトマネージャーを務めるミヒャエル・シェルホルン氏である。 スポットライトの中にたたずんだM5 CSで何よりも目を引くのが「フローズン・ディープ・グリーン」というM5 CS専用カラーのボディと、ゴールドブロンズのキドニーグリルやイエローのL字型ライトチューブだ。 前述のシェルホルン氏は「専用カラーに与えられる『フローズン』はクール、エクスクルーシブを表し、他に『フローズン・ブランズ・ハッチ・グレー』があります。またアクセントテーマカラーは『マットゴールドブロンズ』で、キドニーグリルだけでなく、サイドのジルズ(Gills:えら)やホイールとロゴにも使用されています」と解説する。 そして何よりも重要な「CS(クラブスポーツ)」のコンセプトは、「M5シリーズのハイエンドモデルとして最大のパフォーマンスと魅力を引き出すこと」であると締め括った。 M5 CSが搭載するエンジンは、M5 コンペティションが積む4.4リッターV8ツインターボ(開発コードS63)に改良型インタークーラーで最適化したターボや、350バールの燃料噴射ポンプ採用したもので、最高出力は10馬力アップの635馬力となっている。750Nmの最大トルク値は変わらないが、その発生範囲は1800~5950rpmへと高回転域側が広がっている。 組み合わされるトランスミッションは8速ATで、駆動方式はもちろん4WDである。その結果、0-100km/h加速は3秒フラット(コンペティション比-0.1秒)、200km/hまでが10.3秒と向上。ただし最高速度はスタンダードが250km/hでリミッターが介入し、オプションのドライバーズパッケージを付けると305km/hとなるのは変わらない。 加速性能向上にはボディの軽量化も貢献している。軽量化は合計70kgに及び、標準装備のカーボンセラミックブレーキだけで23kgが削られる。防音材や防振材は最小限。ボンネット、ドアミラーハウジング、スポイラー、ディフューザーにはカーボンパーツが採用され、さらに4脚のカーボン製スポーツシートも装備する(M5CSは4人乗り) 。その結果、空車重量は1825kg、パワーウエイトレシオは2.87kg/PSとなった。 足回りはM8譲りのパーツも採用、欧州では約2300万円インテリアはハイエンドスポーツセダンとコンペティションマシーンの融合である。ドライバーの正面には12時の位置にマークの入ったアルカンタラ仕上げのステアリングホイール、その背後から伸びるカーボン製のパドル、そしてMスポーツ・ドライブ・ロジックへ誘う真っ赤なMボタンが挑戦的にのぞいている。 このクルマのオーナーが試みると想定されるニュルブルクリンクやホッケンハイムなどのサーキットでのスポーツ走行を考えて、シャーシにはM8グランクーペから高いバネレートのコイルスプリングやスポーティなダンパーセッティングなどが移植された。標準タイヤはピレリのPゼロ コルサで、サイズはフロント275/35R20、リアは285/35R20となっている。 M5CSはドイツで1月末から注文の受付が始まり3月にはデリバリーが開始される。ドイツでの19%の税込価格は昨年発表された「M5コンペティション」よりも5万500ユーロ(約640万円)も高く、18万400ユーロ(約2280万円)となっている。 限定モデルではないものの、受注が始まってから12ヶ月と生産期間が決まっている。それゆえにBMWジャパンも「M2 CS」などのように販売台数を限定する可能性があるので、興味のある方は急いだ方が良いかもしれない。 レポート:Alex Ostern/Kimura Office ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります |
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